小林、原監督から熱血指導３０分「自分のものにしたい」

　課題の打撃力アップを目指し巨人の小林誠司捕手（２５）が３日、原監督から熱血指導を受けた。フリー打撃では約３０分間にわたり、バットのヘッドをしっかり立てるフォームを確認。指揮官が「（本人が）どう受け止めるか。根気強くやってほしい」と自覚を促せば、小林も「しっかり自分のものにしたい」と意気込んだ。阿部が内野手にコンバートとなった今季、２年目を迎えた正捕手本命が、チームの浮沈を握る。

　背筋を伸ばし、小林は原監督からの助言に耳を傾けた。フリー打撃中に、身ぶり手ぶりを交えて、約３０分間。指揮官からの直接指導は極めて異例で、正捕手候補への期待の高さがうかがえた。

　熱血指導の内容について、原監督は「軸があって、バットのヘッドを残した状態で打つということ。右打者は特に、ヘッドが残った状態で（バットを）出さないと、試合では通用しない」と説明した。ヘッドを残すことで手首の返り、体の開きを抑えることができ、より力強い打球が飛ばせるようになるという。小林も「打つときに右肩が前に出てしまうので、そこを抑えていかないといけない」と修正ポイントを納得した様子だった。

　ルーキーイヤーは一度も２軍に落ちることなく６３試合に出場。いきなり頭角を現した。打撃面でも、プロ初打席初安打をマーク。だが、打率２割５分５厘、２本塁打、１４打点は阿部の後釜としては、まったく物足りない数字だ。原監督も「（指導を）彼がどう受け止めるか。根気強くやっていってほしい」と継続と進化を求めている。

　チームの練習終了後も、小林は居残りでスローイング練習をこなすと、休む間もなく室内練習場へと移動。ティー打撃とマシン打撃を１時間以上こなし、フォームを再確認した。「いい感覚で打てるときもあれば、悪いときもある。練習して自分のものにしていきたい。期待してもらっている以上は応えたいし、試合に出たい気持ちは強い」

　開幕スタメンマスクを懸け、今キャンプでは相川、実松、加藤としのぎを削っている。残り２か月弱。どこまで打力を向上できるかにかかっている。（尾形　圭亮）