【社説】国民を欺いた無償福祉、今こそ幻想から目覚めよ

 大統領府と政府・与党はつい最近まで、この当然の事実から顔を背けてきた。選挙で票を得るために「増税なき」という言葉が付いたさまざまな政策が語られ始めた2011年以降、政界は福祉に必要な財源をいかにして調達し、誰がそれを負担するのかについては完全に口を閉ざしたまま、何でもタダで国民に与えるという公約を次々と発表した。その結果、選挙での得票ばかりを目指す政治が国の財政を危機的状況に追いやってしまったのだ。

 大統領府と政府、さらに与野党は「増税なき福祉」という詐欺的な政策について語ることはもうやめ、実現可能な福祉政策について頭を突き合わせて議論すべき時を迎えた。金武星代表はこの日「今後は与党、政府、大統領府の関係は与党が中心となって調整する」という考えも表明した。それにはまず短期的には国民の痛みが伴うとしても、国の将来が懸かった福祉の構造調整などを与党が中心となって実行に移さねばならない。それこそが政治によって引き起こされた病的ともいえる無償福祉の幻想に、自ら責任を持って決着をつけることにつながる。国民も費用を負担せず恩恵だけを受けようとする「福祉のただ乗り」という幻想から目覚めなければならない。

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