【社説】「増税なき福祉」に、再び根本的な手入れを=韓国

【社説】「増税なき福祉」に、再び根本的な手入れを=韓国

2015年02月04日13時21分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  劉承ミン(ユ・スンミン)セヌリ党院内代表が新しく選出される中、「増税なき福祉」の再検討の要求が洪水のようにあふれ出している。昨日は金武星(キム・ムソン)セヌリ党代表が国会代表演説で「増税なき福祉は不可能であり、政治家がそういう言葉で国民をあざむくのは正しくない」と述べた。朴槿恵(パク・クネ)大統領に向かって直撃弾を飛ばしたことになる。もはや「増税なき福祉」の幻想から投げ捨てなければならない。無分別な福祉は減らし、秩序正しい増税議論の出口を開くのは避けられない現実だ。

  今のように放漫な福祉支出と雪だるま式に増える税収不足は持続不可能な構造だ。選挙の時にあふれた福祉公約が「予算絶壁」を迎えてあちこちで産みの苦しみを味わっている。無償保育にともなう保育園問題や、無償給食によって学校冷暖房やトイレ・保育教室予算が途切れたのも同じだ。予算の季節ごとに福祉負担を押し付けるため中央政府と地方自治体、そして政府と教育庁間の対立が繰り返されるのもこれ以上、見過ごすことはできない。今や「増税なき福祉」の根本的な手入れが避けられない時だ。

  何よりも朴槿恵(パク・クネ)大統領の率直な謝罪が優先だ。「増税なき福祉」がしん気楼だったことを勇気を持って告白すべきだ。その次は、放漫になってしまった福祉支出を構造調整しなければならない。無償給食・無償保育・半額授業料などの普遍的な福祉を「オーダーメード型」の選別的福祉に変えるだけでも毎年10兆ウォン以上の予算を減らすことができる。セヌリ党首脳部がそのデリケートな雷管を触っただけに、朴大統領は直接対国民説得を通じて福祉構造調整の社会的合意を導き出さなければならない。野党も弱点を握りたい誘惑から脱却すべきだろう。福祉膨張の原罪は野党にもあることを国民は知っている。

  それと同時に増税議論も始めなければならない。もちろん景気低迷の時期に増税は無理かもしれない。負担になることも事実だ。だが韓国社会の高まった福祉需要が確認された以上、「低負担-低福祉」時代に戻ることは難しい。さらに地下経済の陽性化や非課税・減免縮小によって福祉財源を充当することは到底望めないということがあらわれた。増税議論を併行しなければならないもう1つの理由は、それでこそ納税者の圧力が高まって福祉の手術に力を加えることができるためだ。これ以上「見せかけ増税」が通じにくい現実も勘案しなければならない。住民税・年末精算問題や健康保険の改革中断、たばこの値段引き上げに見るように、国民的な疲労感が高まるだけだ。

  最も心配な部分は、増税議論がまた別の政治的ポピュリズムに変質する恐れがあるという点だ。理念や陣営の論理によって増税にアプローチすることから警戒しなければならない。階層間の憎悪心をあおってむやみに「富裕層増税」を叫ぶのも禁物だ。税制改編の3大金科玉条は「幅広い税源と低い税率」「公平性」「効率性」だ。この原則に忠実でありながらも段階的で秩序正しい増税を検討すべきだろう。最後に繰り返し強調したいのは、増税に先立ち大胆な福祉支出の構造調整が優先だという点だ。それが順調な増税の近道であり、納税者に対する礼儀だ。
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