【実践編3】サービスごとに異なるメルアドを使う

 ネットサービスでは、ID(アカウント)としてメールアドレスを利用するケースが多い。サービスごとに登録するメールアドレスを変えておけば、あるサービスのIDとパスワードが流出しても、ほかのサービスに被害が及ぶ危険が減る(図1)。

図1 ID(アカウント)として、メールアドレスを使うサービスは多い。サービスごとに異なるメールアドレスを使っていれば、あるサービスからアカウントとパスワードが流出しても、別のサービスまで芋づる式に乗っ取られるリスクを減らせる
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 とはいえ、メールアドレスをいくつも作成すると、メールチェックが大変だ。そこで、各社のメールサービスが用意している「エイリアス」という仕組みを利用する(図2)。エイリアスは、既存のアドレスと同じように扱える別名(alias)のことだ。不要になったらいつでも削除でき、エイリアスを削除しても受信済みメールは消えない。

図2 1つのアカウントから別のアドレスを作れる「エイリアス」と呼ばれる仕組みを利用する。新たにアカウントを作る必要はなく、メールはすべてオリジナルアドレスの受信トレイに届く[注]
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[注]メールアドレスの「pc21」などは一例です。ご自分のメールアドレスに置き換えてお考えください


 マイクロソフトのメールサービス「アウトルックドットコム」では、「@」の前が完全に異なるエイリアスを年間10個まで作成できる(図3)。メール送信時には差出人としてエイリアスのアドレスも指定できる(図4)。

図3 1ページ図7の手順で、マイクロソフトアカウントの設定画面を開く。「基本情報」→「エイリアス」と順にクリックして上の画面を開き、「エイリアスの追加」をクリックする(1)〜(3)。「新しいメールアドレス…」を選んで、希望のアドレスを入力(4)(5)。さらにドメイン名を選択して、「エイリアスの追加」を押す(6)(7)。年間10個までエイリアスを作れる
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図4 エイリアスを差出人としたメールの送受信は、Outlook.comのウェブメールで行う。メール作成時には、エイリアスのアドレスを差出人として指定できる(1)(2)
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 「ヤフー!メール」でも元のアドレスとは別のアドレスを作成できる。ベースネームとキーワード(10個まで)を設定し、その2つを合わせたものがアドレスになる(図5、図6)。

図5 ヤフー!メールでも、元のアドレスとは別のメールアドレスを作成可能。「設定・その他」→「メールの設定」を選択する(1)(2)
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図6 「セーフティーアドレス」を選び、自分で考えたベースネームとキーワードを設定する(1)〜(3)。メールアドレスは「ベースネーム-キーワード@yahoo.co.jp」となり、キーワードを切り替えて最大10個(条件によっては最大30個)まで作れる。ベースネームは2回まで変更が可能。配信先フォルダーを指定し、「保存」をクリックする(4)(5)
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 Gメールでは、元のアカウントに「+」と任意の文字列を加えたり、ピリオドを混入させたりすることで、エイリアスをいくつでも作れる(図7、図8)。ただし、「@」の前を完全に変えたアドレスは作れないので、エイリアスからオリジナルのアドレスが類推されてしまうという欠点がある。

図7 Gメールは半角の「+」以降「@」より前の文字列、および半角の「.」を無視する。それらを付けたアドレスは、登録手続きなしでいくつでも使用可能。ただし、「@」の前を完全に変えたアドレスは作れない
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図8 差出人としてエイリアスのアドレスを使うには設定が必要。Gメールの設定画面で「アカウントとインポート」を開き、「メールアドレスを追加」を押す(1)(2)。エイリアスのメルアドを入力して、追加する(3)(4)
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 ネットサービスに登録すると、大量の広告メールが届くこともある。そうしたメールを受け取りたくないなら、“捨てメルアド”を利用する手もある。「メルアドぽいぽい」なら会員登録不要で、いくつでもメールアドレスを作成できる(図9〜図11)。スマホからも利用可能だ(図12)。

図9 「メルアドぽいぽい」は、登録不要でメールアドレスをいくつでも取得できるサービス。ウェブサイトにアクセスすると、自動的にメルアドが作られる。送受信は上部のボタンで画面を切り替えて行う。なお、IE9ではうまく動かない
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図10 メールアドレスを指定して作ることもできる(1)。アカウント名を入力し、ドメイン名を選択して「メールアドレスを作成」を押す(2)〜(4)
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図11 「現在ログインしている情報」を押して、IDとパスワードをメモしておく(1)(2)。「ログインする」を押してそれらを入力すると、別のパソコンやスマホからも同じアドレスを使える。ブラウザーのクッキー情報を消したときも同様にする
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図12 スマホの専用アプリが用意されている。初めて起動したときは、パソコン版と同様にメールアドレスが自動作成される。「ログインする」をタップして、図11でメモしたIDとパスワードを入力すれば(1)〜(3)、パソコン版と同じメールアドレスをスマホからも使える
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(文/岡本 ゆかり)


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