高浜原発再稼働問う 小浜で「自主的公聴会」
関西電力高浜原発3、4号機(高浜町)が再稼働に向けた適合審査の最終局面を迎える中、脱原発社会の実現を目指す市民団体「原子力市民委員会」が一日、小浜市後瀬町の勤労福祉会館で「高浜原発再稼働についての自主的公聴会」を開き、有識者と市民ら約九十人が意見交換した。内容は取りまとめて三月中に県と原子力規制委員会、関電の三者に報告し、市民委のサイトでも公開する。
座長で九州大大学院の吉岡斉教授、座長代理で立命館大の大島堅一教授、国際環境NGOの満田夏花理事、元化学プラント技術者の筒井哲郎さん、脱原発団体のアイリーン・美緒子・スミス代表が出席。市民委の五人が原発コストの高さ、再稼働に対する地元同意の範囲の狭さ、大雪や豪雨といった複合災害を考慮しないなど避難計画の問題点、過酷事故対応の疑問点を説明した上で、市民が意見や質問を述べた。
高浜3、4号機は昨年十二月に事実上適合したが、西川一誠知事は住民向けの説明会や公聴会を開かないとしている。終了後の記者会見で吉岡教授は「(再稼働について)県民全体の総意を確認すべきだ。一部の政治、行政関係者で決めるのは民主主義に反する」と指摘。公聴会を「非常に多くの人が来て、活発な質疑応答があった。県民が意思表明する手応えを感じた」と総括した。
(西尾述志)
◆住民ら活発な討論
公聴会では県内外からの参加者が活発な質疑応答を繰り広げた。
敦賀原発(敦賀市)から約七十〜八十キロ離れた岐阜市の主婦、兼松秀代さん(67)は、重大事故時の避難計画について訴えた。「岐阜市も、風向きによっては放射能の被害を受ける予想もある。避難計画は三十キロ圏内だけでいいのか」と切実な様子で語った。
NGO理事の満田夏花さんは「福島の事故では三十キロ圏外の自治体が崩壊状態になった例もある。避難計画は三十キロ圏外の自治体にも必要だ」と応じた。
小浜市門前の明通寺住職、中嶌哲演さん(72)は原発周辺の自治体が抱える経済構造について言及。「嶺南地域で原発反対の意見が発信できないのは、原発依存の経済があるからだ」と指摘。「廃炉にした場合の経済的な提言を」と要請した。
これに応えた立命館大の大島堅一教授は「地域が独自の資源や人材を生かして、自立していくための交付金にすることが大事」と語った。
(平井孝明)
座長で九州大大学院の吉岡斉教授、座長代理で立命館大の大島堅一教授、国際環境NGOの満田夏花理事、元化学プラント技術者の筒井哲郎さん、脱原発団体のアイリーン・美緒子・スミス代表が出席。市民委の五人が原発コストの高さ、再稼働に対する地元同意の範囲の狭さ、大雪や豪雨といった複合災害を考慮しないなど避難計画の問題点、過酷事故対応の疑問点を説明した上で、市民が意見や質問を述べた。
高浜3、4号機は昨年十二月に事実上適合したが、西川一誠知事は住民向けの説明会や公聴会を開かないとしている。終了後の記者会見で吉岡教授は「(再稼働について)県民全体の総意を確認すべきだ。一部の政治、行政関係者で決めるのは民主主義に反する」と指摘。公聴会を「非常に多くの人が来て、活発な質疑応答があった。県民が意思表明する手応えを感じた」と総括した。
(西尾述志)
◆住民ら活発な討論
公聴会では県内外からの参加者が活発な質疑応答を繰り広げた。
敦賀原発(敦賀市)から約七十〜八十キロ離れた岐阜市の主婦、兼松秀代さん(67)は、重大事故時の避難計画について訴えた。「岐阜市も、風向きによっては放射能の被害を受ける予想もある。避難計画は三十キロ圏内だけでいいのか」と切実な様子で語った。
NGO理事の満田夏花さんは「福島の事故では三十キロ圏外の自治体が崩壊状態になった例もある。避難計画は三十キロ圏外の自治体にも必要だ」と応じた。
小浜市門前の明通寺住職、中嶌哲演さん(72)は原発周辺の自治体が抱える経済構造について言及。「嶺南地域で原発反対の意見が発信できないのは、原発依存の経済があるからだ」と指摘。「廃炉にした場合の経済的な提言を」と要請した。
これに応えた立命館大の大島堅一教授は「地域が独自の資源や人材を生かして、自立していくための交付金にすることが大事」と語った。
(平井孝明)
このニュースの関連情報
-
中日新聞プラス - 購読者世帯、みんながうれしいサービスです
中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井を定期購読する主購読者とその同居家族が対象の、中日新聞社が運営するサービスです。インターネット上で、紙の新聞だけではお届けできない、きめ細かい地域情報やお得なサービスを提供します。紙の新聞と連動したコンテンツも用意しているので、新聞がもっと便利に楽しくなります。
中日新聞プラス / 中日新聞プラスご利用ガイド /
- 「新規制基準に適合できる」 関電、美浜原発3号機などの再稼働へ安全審査申請、全9基体制で再編へ(産経新聞) 02月02日 21:27
- <高浜原発>公聴会に住民ら70人 福井・小浜(毎日新聞) 02月01日 19:36
- <高浜原発>「再稼働阻止を」 市民団体、ビラ配りや署名集め−−高浜・おおい /福井(毎日新聞) 02月01日 14:08
- 「高浜原発の再稼働禁止」仮処分申し立て 滋賀の住民ら(朝日新聞) 01月30日 16:04
- 【原発】京都府が関西電力に安全協定案(ABC NEWS 関西ニュース) 01月29日 00:26
- “原発マネー”今年も交付へ 長浜、高島市は申請(中日新聞プラス) 01月20日 05:00
- 老朽原発、廃炉か運転か 関電社長「早期に判断」(中日新聞プラス) 01月07日 05:00
- 「バカッコイイ動画」話題に 龍神中3年生有志が制作(AGARA 紀伊民報) 2月3日 17:00
- イタリア人男性が仏門入り 「縁を大切に」羽咋の寺で得度式(北國新聞) 2月4日 3:50
- 深海から珍客、リュウグウノツカイ 日出の海岸(大分合同新聞) 2月4日 3:00
- 宮崎北署警官を逮捕 女性の胸触った疑い(宮崎日日新聞) 2月4日 0:17
- ホームではやぶさに接触、死亡(東奥日報) 2月3日 23:02
- みかん鍋、焼印入ミカンがまるごと入った鍋が山口県 周防大島で人気
(広島ニュース 食べタインジャー) 2月4日 13:17
- 田奈高「図書室カフェ」 悩み、不安に寄り添う
(神奈川新聞) 2月4日 13:14
- 川崎の巨星2人が半生語る 17、18日講演会
(神奈川新聞) 2月4日 13:14
- 時代の正体〈62〉「イスラム国」は問う 私たちは何をすべきか
(神奈川新聞) 2月4日 13:14
- 2015春季キャンプ:梶谷、新たな武器携え
(神奈川新聞) 2月4日 13:14