関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が立地する高浜町が、再稼働の前提になる審査合格を近く正式に決める見込みの原子力規制委員会に対し、審査内容の住民理解に向けて、説明会開催の代わりにビデオ作成を要請していることが3日、分かった。
規制委事務局の原子力規制庁が定例記者会見で明らかにした。野瀬豊町長が1月30日に清水康弘規制庁次長に面会しビデオ作成を要請。面会は町長側の意向で非公開で行われた。規制庁が対応を検討している。
野瀬町長は「イベント的な説明会は一つの手法だが、広く町民に知ってもらうには限定的」と説明会は開催しない方針を強調。ビデオは、ほぼ全世帯が視聴できる有線放送で流す予定で「ビデオを見てもらった上で町民の声を聞き、(同意の)判断をすることになる」と話している。
ビデオの作成には2月いっぱいかかる見通し。
審査が先行する九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の説明会では再稼働への批判のほか、避難計画の実効性などを問う質問が住民から相次ぎ混乱した。