【2月4日 AFP】ロシア軍部隊の動向についてウクライナ大使館に電話をしたことを理由に、国家反逆の疑いで逮捕・訴追された7児の母が3日、拘束を解かれた。だが、女性にかけられた罪状は現在も残されている。

 ウクライナ紛争に反対するスベトラナ・ダビドワ(Svetlana Davydova)さん(36)は昨年4月、ウクライナ大使館に電話をかけ、モスクワ(Moscow)西郊の町ビャジマ(Vyazma)にある自宅近くの軍事基地がもぬけの空になっていると伝え、基地の兵士たちが国外に配備されていることを示唆したとされる。

 さらにダビドワさんはウクライナ大使館職員に対し、ある軍人の話を立ち聞きした内容として、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の部隊がある任務に派遣される予定であると伝え、派遣先はおそらくウクライナだと伝えたとされる。逮捕後はモスクワのレフォルトボ(Lefortovo)地区の収容施設に拘留されていた。裁判で有罪になれば、12~20年の懲役刑となる可能性がある。

 ダビドワさんの拘束はロシア国民に衝撃を与え、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領に寛容な処置を求める請願書には5万人以上が署名。中には、ノーベル賞作家の故アレクサンドル・ソルジェニーツィン(Alexander Solzhenitsyn)氏の妻ナタリア(Natalya Solzhenitsyna)さんや、著名作家、テレビタレントなどが含まれていた。ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)露大統領報道官は、大統領府が請願書を受け取ったことを認めている。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO