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ギリシャ新政権の反緊縮策に懸念広がる
1月29日 5時04分

ギリシャ新政権の反緊縮策に懸念広がる
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ギリシャのチプラス新首相は反緊縮策という選挙公約どおり、金融支援を受けているEU=ヨーロッパ連合などに対して債務の削減を求めていく考えを示し、EU各国の間で懸念が広がっています。

ギリシャの議会選挙で勝利した急進左派連合の党首で新しい首相に就いたチプラス氏は28日、首都アテネで初めての閣議を開きました。
この中でチプラス新首相は、「われわれは政策を抜本的に変えるために政権に就いた。有権者を失望させるわけにはいかない」と述べ、これまでの緊縮策を見直して、低所得者の年金の引き上げや解雇された公務員の再雇用などを進める考えを示しました。
そして、「パートナーとの話し合いで壊滅的な衝突は望まないが、服従の政策を続けるつもりはない」と述べ、選挙公約どおり、金融支援を受けているEUなどに対して債務の削減を求めていく考えを示しました。
これに対し、ドイツのガブリエル経済・エネルギー相は28日、記者会見で、「債務の削減など想像できない」と批判するなど、EU各国の間で懸念が広がっています。
こうしたなか、ユーロ圏財相会議のダイセルブルーム議長は30日にギリシャを訪れてチプラス新首相と会談し、財政立て直しに関する考え方を直接確認する意向を示すなど、ギリシャの金融支援を巡る動きが活発化しそうです。

株式指数が大幅下落

ギリシャで新たに発足したチプラス政権が緊縮財政を見直してEUなどに債務の削減を求めていく考えを示したことから、金融市場ではギリシャへの金融支援を巡る不透明感が一段と強まり、28日のギリシャの株式市場では、株価指数が一時、9.5%を超える急落となりました。
この結果、ギリシャの株価指数は選挙後の3日間で15%以上も下落したことになり、とりわけ預金の流出が加速している大手銀行4行の株価は3日間で41%から49%、それぞれ値下がりしていて、金融不安が広がるおそれも出ています。
また、債券市場でもギリシャ国債が売られて、償還までの期間が10年の国債の利回りは急上昇し、10%を超えました。
市場では、チプラス首相がEUとの交渉である程度譲歩するという見方がある一方、金融支援を巡る協議が長期化したり、決裂して支援が打ち切られたりした場合、ギリシャはことし前半にも対外債務の支払いができなくなるという見方も出ていて、市場の懸念が強まっています。

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