言葉の通じない外国人とインターネットを通じてリアルタイムで話せる日が、ついにやってきた。もちろん高額な料金で専門の同時通訳を依頼する必要はない。「スカイプトランスレーター」を使えば、ソフトが無料で自動的に通訳してくれる。
これは、インターネット電話サービスの「スカイプ」に搭載された新機能。今のところはプレビュー版として公開されている(米国の場合。日本国内では2015年後半にプレビュー版公開の見込み)。お互いに異なる言語で話す相手とテレビ電話するときでも、それぞれ自分の言葉で話せばOK。言語の壁も何のその。あとはソフトが相手の発言を自分の言語に翻訳してくれる。外国語が苦手でも、世界各国の人々とスカイプで話すことができるのだ(図1)。
スカイプトランスレーターを使うには、最新版のスカイプを利用する。通話相手を選んで翻訳機能を有効にする(図2)。次に、相手の言語を選べばよい。
図2 自動翻訳機能を使うには、通話相手を選んで翻訳機能をオンに切り替え(1)、続く画面で相手の言語を指定すれば準備OK。お互いの発言はそれぞれ相手方の言語に自動的に翻訳され、文字と音声で表される(2)(3)。現状では翻訳されるまでひと呼吸の間があるが、ほとんど気にならない。機能が正式に公開され、数多くの言語に対応するのが待ち遠しい
プレビュー版で対応している言語は、今のところ英語とスペイン語。対応OSは今のところウィンドウズ8.1と10のみだ。
スペイン語の相手が何か話すと、ひと呼吸置いて画面の隅にまずスペイン語のテキストで、続いて英語のテキストで話した内容が表示され、同時に英語の音声も流れてくる。まだ完全なリアルタイムとはいかないものの、はっきりと話せばそれなりにスムーズに会話できる。これならお互いに相手の言語をマスターしていなくても、十分にやり取りできる。
スカイプにはテキストチャットもあり、こちらはすでに40カ国語以上が翻訳可能。日本語にも対応済みだ。チャットの場合は書き込んだ文章が、それぞれ相手の言語で表示される。
スカイプトランスレーターは、音声認識、自動翻訳に加えて、強力な学習機能を備えているのが売り。翻訳利用者が増えるほど、その言語の聞き取りや翻訳能力が向上するようになっている。
スカイプトランスレーターはスマートフォンなどでも利用できる。言語の壁も乗り越えられるとなれば、さらに世界が“身近”になるかもしれない。
(ライター 瀧口範子)
(日経PC21 2015年3月号の記事を基に再構成)
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スカイプ、リアルタイム翻訳、ウィンドウズ、テレビ電話、コルタナ
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