家電量販店エディオン(大阪市北区)の元課長が営業秘密を不正取得したとされる事件で、店舗の販売成績などの情報を元部下にメール送信させ、転職先の上新電機(大阪市浪速区)の部長に手渡したとして、大阪府警生活経済課は3日、エディオン元ELS企画課長、笹沢淳容疑者(52)を不正競争防止法違反容疑で再逮捕した。
また、新たに同社リフォーム商品部社員、二宮昌人容疑者(43)=兵庫県伊丹市=を同容疑で逮捕した。
同課によると、笹沢容疑者は一連の情報取得について、「上新電機の競争心を高めるため、(エディオンのデータを示して)状況を理解してもらいたかった」と話しているという。
二宮容疑者の逮捕容疑は昨年1月28日、エディオン尼崎事務所のパソコンで、店舗ごとの売り上げや売り場の客足状況などの「週次報告」のファイルを電子メールに添付して笹沢容疑者に送信し、営業秘密を開示した疑い。笹沢容疑者の再逮捕容疑は、メール受信した「週次報告」を印刷し、上新電機商品部長に手渡して開示した疑い。
同課によると、上新電機部長は、任意聴取に対して「内容は参考程度のものだった」と話し、営業活動への利用は否定。府警の捜査でも上新電機が利用した事実は確認されていない。
両容疑者は、笹沢容疑者がエディオンを退社する昨年12月まで、子会社での勤務時代も含め、上司と部下の関係にあることが多かった。二宮容疑者は「笹沢容疑者には20年以上お世話になっていた。頼まれて情報を送信した」と話しているという。
大阪地検は3日、遠隔操作ソフトを利用し、エディオンの販売促進計画などを不正取得し、上新電機の部長に渡したとして、笹沢容疑者を不正競争防止法違反罪で起訴した。
エディオン、上新電機、再逮捕