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うちのネコは世界のどの地域が起源!? 京都大が判別手法を考案

産経新聞 2月3日(火)8時50分配信

 細胞のDNA配列に入り込むウイルスの一種に感染した痕跡を調べることで、人間が約1万年前に中東で飼い慣らしたネコが世界中に移動した歴史を追跡する手法を、京都大ウイルス研究所の宮沢孝幸准教授らのチームが開発。2日付の英科学誌電子版に発表した。

 イエネコは約1万年前、穀物を荒らすネズミを駆除するために人間が飼い慣らしたとされており、その後、世界中に広がる一方で多くの品種に分かれた。

 宮沢准教授らは、感染した細胞のDNA配列に入り込む特性を持つ「レトロウイルス」が生殖細胞に侵入した場合、子孫のDNAにも痕跡が残ることに着目。世界のイエネコのDNAを調べ、ウイルスの痕跡を比較することで、移動の経路や品種の分岐を解明する手法を考案した。

 各国のネコを調べた結果、欧州では平均約40%、北米では約55%のネコがウイルス由来物質を保有。一方、アジアは4%ほどと差があり、系統の違うネコが別々に広まっていったことが裏付けられたという。

 また、ある種のウイルスはヨーロピアンショートヘアやアメリカンカールなどの品種に共通して感染の痕跡があり、宮沢准教授は「スカンディナビア半島のヨーロピアンショートヘアが英国へと渡り、さらにメイフラワー号で新大陸へ向かったとされるルートと一致している」としている。

最終更新:2月3日(火)12時50分

産経新聞

 

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