2015年02月03日
新種牡馬辞典 - サクラメガワンダー
新種牡馬辞典、第十四弾はサクラメガワンダー。サクラの名牝系のひとつである*クレアーブリッジの系統で、おじに天皇賞馬サクラチトセオー、おばにエリザベス女王杯馬サクラキャンドルらがいる良血馬です。GIには手が届かなかったものの、2歳時から一線級で活躍した実績を引っさげての種牡馬入りとなりましたが、同父のスクリーンヒーローが意外な成功を収め種付け数を増加させる中、全くもって牝馬を集めることができず、すでに種牡馬登録を抹消されてしまっています。
サクラメガワンダー
新和牧場産 2003年生 栗毛 父系:ロベルト系
父*グラスワンダーは米国産馬で、通算成績は15戦9勝。3歳時・4歳時に有馬記念を連覇したほか、宝塚記念や朝日杯3歳SなどGI4勝を含む重賞7勝をあげた活躍馬だった。種牡馬としての代表産駒はジャパンCを制したスクリーンヒーロー、宝塚記念を制したアーネストリー、朝日杯フューチュリティSを制したセイウンワンダーなどがいる。
母サクラメガは不出走馬。サクラメガワンダー以外に目立った産駒は出していない。
祖母サクラクレアーの通算成績は5戦2勝。GII4歳牝馬特別(東)で2着がある。産駒に天皇賞(秋)の勝ち馬サクラチトセオー、エリザベス女王杯の勝ち馬サクラキャンドル、共同通信杯4歳Sやオールカマーで2着のサクラヤマトオーなどがいる。また、孫にフラワーCの勝ち馬サクラプレジールなどがいる。
<競走成績>
初勝利には3戦を要したが、そこから一気の3連勝でGIIIラジオたんぱ杯2歳Sを制した。当然クラシックでも期待されたが、輸送が苦手ということもあり全く結果を残すことができず、3歳シーズンは1年ぶりの関西でのレースとなった鳴尾記念の1勝のみにとどまっている。4歳時はOPカシオペアS勝ちのみにとどまったが、5歳時は宝塚記念で4着とGIで初の掲示板を確保すると、暮れの鳴尾記念で2年ぶりの重賞勝利となった。6歳になり、金鯱賞を制し3番人気で臨んだ宝塚記念ではダービー馬ディープスカイを破って2着に食い込んだが、その後屈腱炎を発症し無念のリタイアとなった。
<供用実績>
9歳時よりレックススタッドにて種牡馬入りし、受胎条件30万円で供用され20頭ほどの牝馬を集めたが、2年目以降は出生条件30万円、しかも牝馬は半額という条件に変更されたものの、集まった牝馬はそれぞれ4頭、1頭で、2014年の7月に産駒のデビューを見ることなく用途変更となってしまった。似た血統構成のスクリーンヒーローが初年度産駒の活躍により大幅に牝馬を増やしたのと対照的だが、やはりこの実績で4割に満たない受胎率では勝負にならなかったか。
<注目の産駒>
初年度産駒7頭中6頭が「サクラ」馬を母にもつ。その中でも注目はサクラアカツキの2013だ。母が重賞でも上位入線した活躍馬というだけでなく、近親にも重賞活躍馬が多数いる血統で、さらに遡ればサクラチヨノオーやサクラホクトオーらを出した名牝*スワンズウッドグローヴにたどり着く。サクラのもう1頭の名牝*クレアーブリッジとの競演といったところか。唯一のサクラ以外の生産馬であるユウキビバの2013は祖母がチューリップ賞の勝ち馬で、オークスでもダンスパートナーの2着に入ったユウキビバーチェという血統馬。兄にオープン馬もおり、筋は通っている。
<傾向予想> 芝:◎ ダ:△ 距離:中 ピーク:3歳〜
芝向きのタイプ。ただ、時計のかかるダート1800m戦くらいなら十分こなせるかも知れない。距離は1800mと2000m戦の勝ち星しかなく、マイル戦はやや短いという印象があった。逆に2000mを越える距離はあまり使われていないが、宝塚記念2着を含む連対率50%で、それほど悪くはない。むしろスクリーンヒーローのように2400mがベストという可能性もあったかもしれない。2歳戦から活躍していたように仕上がりは早いが、3歳以降もさらに成長し、完成するのは古馬になってからか。
前述のスクリーンヒーローとは父が同じだけでなく、母父*サンデーサイレンス、母母父*ノーザンテーストというところまで完全に一致。さらにおじやおばの代にGI活躍馬がいる(ステージチャンプ、プライムステージ)名牝系というところまで似ている。スクリーンヒーローが人気薄のジャパンC一発だけで初年度80頭を超える牝馬を集めたことを考えると、あまりにも境遇に差がありすぎる印象だが、やはり受胎率の低さが決定的なダメージとなったか。残された数少ない産駒の活躍を期待したいところ。
新和牧場産 2003年生 栗毛 父系:ロベルト系
<血統構成> 5代内クロス: | Hail to Reason 4×4 Northern Dancer 4×4 |
*グラスワンダー USA 栗 1995 | Silver Hawk | Roberto |
Gris Vitesse | ||
Ameriflora | Danzig | |
Graceful Touch | ||
サクラメガ 栗 1998 | *サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | ||
サクラクレアー | *ノーザンテースト | |
*クレアーブリッジ |
父*グラスワンダーは米国産馬で、通算成績は15戦9勝。3歳時・4歳時に有馬記念を連覇したほか、宝塚記念や朝日杯3歳SなどGI4勝を含む重賞7勝をあげた活躍馬だった。種牡馬としての代表産駒はジャパンCを制したスクリーンヒーロー、宝塚記念を制したアーネストリー、朝日杯フューチュリティSを制したセイウンワンダーなどがいる。
母サクラメガは不出走馬。サクラメガワンダー以外に目立った産駒は出していない。
祖母サクラクレアーの通算成績は5戦2勝。GII4歳牝馬特別(東)で2着がある。産駒に天皇賞(秋)の勝ち馬サクラチトセオー、エリザベス女王杯の勝ち馬サクラキャンドル、共同通信杯4歳Sやオールカマーで2着のサクラヤマトオーなどがいる。また、孫にフラワーCの勝ち馬サクラプレジールなどがいる。
<競走成績>
年 (歳) | 戦 | 勝 | 主な実績 |
2005年 (2歳) | 5 | 3 | 1着 ラジオたんぱ杯2歳S(GIII) T2000 1着 エリカ賞(500) T2000 1着 未勝利戦 T1800 |
2006年 (3歳) | 6 | 1 | 1着 鳴尾記念(GIII) T1800 |
2007年 (4歳) | 7 | 1 | 1着 カシオペアS(OP) T1800 3着 札幌記念(GII) T2000 3着 京都金杯(GIII) T1600 3着 函館記念(GIII) T2000 3着 アンドロメダS(OP) T2000 |
2008年 (5歳) | 7 | 1 | 1着 鳴尾記念(GIII) T1800 2着 オーストラリアT(OP) 1800 4着 宝塚記念(GI) T2200 |
2009年 (6歳) | 4 | 1 | 1着 金鯱賞(GII) T2000 2着 宝塚記念(GI) T2200 2着 京都記念(GII) T2200 |
計 | 29 | 7 |
初勝利には3戦を要したが、そこから一気の3連勝でGIIIラジオたんぱ杯2歳Sを制した。当然クラシックでも期待されたが、輸送が苦手ということもあり全く結果を残すことができず、3歳シーズンは1年ぶりの関西でのレースとなった鳴尾記念の1勝のみにとどまっている。4歳時はOPカシオペアS勝ちのみにとどまったが、5歳時は宝塚記念で4着とGIで初の掲示板を確保すると、暮れの鳴尾記念で2年ぶりの重賞勝利となった。6歳になり、金鯱賞を制し3番人気で臨んだ宝塚記念ではダービー馬ディープスカイを破って2着に食い込んだが、その後屈腱炎を発症し無念のリタイアとなった。
<供用実績>
年度 | 種付料 | 種付数 | 生産数 | 登録数 | 供用場所 |
2012 | 30万円 | 19 | 7 | 7 | レックススタッド |
2013 | 30万円 | 4 | 2 | 2 | 〃 |
2014 | 30万円 | 1 | − | − | 〃 |
2014年7月2日 用途変更 |
9歳時よりレックススタッドにて種牡馬入りし、受胎条件30万円で供用され20頭ほどの牝馬を集めたが、2年目以降は出生条件30万円、しかも牝馬は半額という条件に変更されたものの、集まった牝馬はそれぞれ4頭、1頭で、2014年の7月に産駒のデビューを見ることなく用途変更となってしまった。似た血統構成のスクリーンヒーローが初年度産駒の活躍により大幅に牝馬を増やしたのと対照的だが、やはりこの実績で4割に満たない受胎率では勝負にならなかったか。
<注目の産駒>
母名 | 性 | 備考 |
サクラアカツキ | 牡 | 谷岡牧場の生産馬。母サクラアカツキは*コマンダーインチーフ産駒で、中央6勝。OPターコイズSを勝ったほか、中山牝馬Sでも3着がある。おじにサクラエイコウオー、いとこにサクラセンチュリーなどがいる。 |
*サクラブラッサム | 牡 | 谷岡スタットの生産馬。母は Seattle Slew 産駒の米国産馬で、中央未勝利。半兄にファルコンS3着のサクラゼウスがいる。 |
ユウキビバ | 牡 | 日西牧場の生産馬。母は*フォーティナイナー産駒で、中央1勝。祖母はオークス2着馬ユウキビバーチェ。半兄にオープン馬ユウキタイティがいる。 |
初年度産駒7頭中6頭が「サクラ」馬を母にもつ。その中でも注目はサクラアカツキの2013だ。母が重賞でも上位入線した活躍馬というだけでなく、近親にも重賞活躍馬が多数いる血統で、さらに遡ればサクラチヨノオーやサクラホクトオーらを出した名牝*スワンズウッドグローヴにたどり着く。サクラのもう1頭の名牝*クレアーブリッジとの競演といったところか。唯一のサクラ以外の生産馬であるユウキビバの2013は祖母がチューリップ賞の勝ち馬で、オークスでもダンスパートナーの2着に入ったユウキビバーチェという血統馬。兄にオープン馬もおり、筋は通っている。
<傾向予想> 芝:◎ ダ:△ 距離:中 ピーク:3歳〜
芝向きのタイプ。ただ、時計のかかるダート1800m戦くらいなら十分こなせるかも知れない。距離は1800mと2000m戦の勝ち星しかなく、マイル戦はやや短いという印象があった。逆に2000mを越える距離はあまり使われていないが、宝塚記念2着を含む連対率50%で、それほど悪くはない。むしろスクリーンヒーローのように2400mがベストという可能性もあったかもしれない。2歳戦から活躍していたように仕上がりは早いが、3歳以降もさらに成長し、完成するのは古馬になってからか。
前述のスクリーンヒーローとは父が同じだけでなく、母父*サンデーサイレンス、母母父*ノーザンテーストというところまで完全に一致。さらにおじやおばの代にGI活躍馬がいる(ステージチャンプ、プライムステージ)名牝系というところまで似ている。スクリーンヒーローが人気薄のジャパンC一発だけで初年度80頭を超える牝馬を集めたことを考えると、あまりにも境遇に差がありすぎる印象だが、やはり受胎率の低さが決定的なダメージとなったか。残された数少ない産駒の活躍を期待したいところ。
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この記事へのコメント
1. Posted by たれり 2015年02月03日 23:28
こちらのブログの情報だと種牡馬登録はまだされているみたいですが・・・
実際はどうなのでしょうか?
http://blog.livedoor.jp/slime0/archives/2509106.html
実際はどうなのでしょうか?
http://blog.livedoor.jp/slime0/archives/2509106.html
2. Posted by Organa 2015年02月03日 23:36
種牡馬引退のソースはジャパン・スタッドブックですので、一応公式の情報として扱っていいと思います。