がんばる部下はもういらないやる気に満ち溢れているのに結果を出せないのはなぜ?

2015.02.04(水)  鶴岡 弘之

 
「がむしゃらに頑張ったら成果を出せる時代は終わった」と語る太田肇氏

 

軍隊で絶対に司令官にしてはいけないのは、無能だがやる気のある人間だと言われる。理由は言うまでもない。引くことを知らずに無謀な突撃を繰り返し、部下の兵隊を大勢殺すからだ。

『がんばると迷惑な人』(太田肇著、新潮社、778円、税込み)

 これは会社でも同様だと言える。やる気と押しの強さだけでのし上がった上司が、やみくもに突撃ラッパを吹き鳴らす。なんの戦略もない中、部下たちはひたすら頑張って長時間働くことを強いられる。しかし、まったく成果はあがらず、その部署は屍の山となる。

 同志社大学政策学部教授、太田肇氏は、著書『がんばると迷惑な人』(新潮社)において、いま、日本の会社でそうした状況が増えていることを指摘する。

 戦後の日本経済の発展が日本人の「頑張り」に支えられたきたことは事実だ。しかし現在、頑張りは通用しなくなってきた。むしろ組織や社会のなかで“頑張り病”が蔓延し、害をまき散らしている。太田氏は、頑張ることはもはや迷惑なのだという。

 「頑張る」ことにはどんな弊害があるのか。また、部門を預かるマネジャーが部下を頑張らせないために、どんな手を打てばいいのか。太田氏に話を聞いた。

努力の「量」ではなく「質」が求められる時代に

──なかなか刺激的なタイトルですね。このタイトルを見てどきりとする人が多いのではないでしょうか。どのようなきっかけで本書を執筆されたのですか?

太田肇氏(以下、敬称略) ある経営者からこんな話を聞…
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