シャープがテレビ不振で通期300億円の赤字転落、新中計を策定へ
[東京 3日 ロイター] - シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)は3日、2015年3月期の連結最終損益が300億円の赤字(前年同期は115億円の黒字)になると発表した。従来予想の300億円の黒字から一転して赤字となる。
13―15年中期経営計画の達成は2年目で断念し「抜本的な構造改革を踏まえた新たな中期計画」(高橋興三社長)を策定し、5月に公表する。
売上高予想は前年比0.9%減の2兆9000億円を据え置いた。営業利益予想は同53.9%減の500億円(同1000億円)に下方修正。
液晶テレビ事業が、北米で競争が激化し、デジタル情報家電事業の営業利益は黒字計画から120億円の赤字に陥ることが響く。
さらに、太陽電池事業も円安で国内事業の採算が悪化して赤字に転落する。円安進行で輸入製品の採算が悪化した白物家電事業は、従来計画の190億円から180億円に下方修正した。
また、中国のスマートフォン(スマホ)向けの中小型液晶は、価格低下で採算が悪化。得意の高精細液晶の市場で、ジャパンディスプレイ(6740.T: 株価, ニュース, レポート)との競争が激化した。今期の液晶事業の営業利益計画は、従来計画の550億円から400億円に下方修正。液晶事業は連結営業利益の8割を占める。
また、タブレット端末用液晶の出荷も想定を下回った。中国のスマホメーカー小米科技(シャオミ)のタブレット端末向けの中型液晶も、ジャパンディスプレイが取引を開始し、シャープの出荷に響いた。
タブレットなど中型液晶の数量が伸びなかったことで、主力の亀山第2工場(三重県亀山市)の中小型液晶の比率は、下期に35%にとどまる見通し。7―9月は40%で、下期は50%を計画していたが、中小型液晶の比率が想定より低くなることで採算は悪化する。 続く...