「イスラム国」に拘束されたヨルダン人パイロット、ムアズ・カサースベさんの無事を祈る集会の様子(2日) Agence France-Presse/Getty Images

 【アンマン】イスラム過激派組織「イスラム国」は3日、拘束中のヨルダン人パイロット、ムアズ・カサースベさんを焼き殺したとする動画を公開した。過激派組織活動の監視にあたる民間団体「SITEインテリジェンス・グループ」が明らかにした。

 SITEによると、この22分間の動画はツイッターを介して配信された。イスラム国の勢力拡大に歯止めをかけようとする米国主導の作戦にヨルダン政府が関与したことについての映像に始まり、次にカサースベさんとみられる男性がヨルダンの軍事活動について話している。最後には、おりに入れられたその男性がイスラム国の戦闘員により火あぶりで殺害される場面が映し出されているという。

ヨルダン人パイロット、ムアズ・カサースベさん European Pressphoto Agency

 SITEはイスラム国がこれまでに公開した映像の数々について真偽を確認しており、それらの映像はのちに本物と断定された。関係当局は、今回の動画の真偽をまだ断定していない。

 本物と断定された場合、世間の注目を集めた捕虜がイスラム国により焼殺された初のケースとなる。

 カサースベさんは昨年12月、対イスラム国の空爆作戦に戦闘機で参加中、シリアで墜落し、イスラム国に拘束された。