号外 (2月3日)
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北陸発願う 争いなき世界 シリア憂う富山の団体代表
「イスラム国は違う存在」最悪の結末を迎えた日本人人質事件に、富山大に通うイスラム教の留学生らを支援する「富山ムスリムセンター(TMC)」(富山市)の理事代表で、シリア出身のサリム・マゼンさん(40)=富山県高岡市=は「悲しい。言葉が見つからない」と無念さをにじませる。過激派「イスラム国」の占領や内戦で混乱が続くシリアの現状に胸を痛め、「イスラム国はシリア人とも、イスラム教とも違う存在だと日本人には知ってもらいたい」とも訴える。(石井真暁) シリアの首都・ダマスカスに生まれ、二十代前半まで過ごしたマゼンさん。数年前までは、夜でも女性が一人で外出できたし、鍵をかけない家もあるほど安全だった。仕事で来日してからは約十年たつが、シリア情勢が悪化する二〇一一年三月ごろまでは毎年、帰国していた。
イスラム国の占領地では現在、多くの人が国内外に逃亡。イスラム国に反対の意思を示せば殺されるといい、「外出するときはみな、もう家族に会えなくなることも覚悟している」ほどだ。ダマスカスでは身に迫るような危険はないというが、物価は上昇し、失業者は増え、治安が悪化。食料が買えず、自家栽培する人も増えた。「みな、生きるにはギリギリ以下の生活をしている」 「誰かが死んでいないか、メールや電話で毎日確認している。そんなことってある?」。マゼンさんはため息を漏らす。 フリージャーナリスト後藤健二さん(47)=東京都港区=の「殺害」情報が流れた直後には、シリアの家族から悲しみを伝えるメールが届いた。日本人がイスラム国をシリアと同一視していないかも心配していたという。 「事件があっても、日本人には理由なく人を傷つけてもらいたくないし、さらなる争いも起こってほしくない」と力を込める。「二人の殺害はシリアで毎日起こっていることでもある。世界が平和になることが何よりも大切なこと」 ■ ■ TMCは一月末、日本の外務省に事件を憂える手紙を郵送したほか、衣類や食料などの支援物資をシリアに送った。支援活動などを今後も続けていく考えだ。 PR情報
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