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殺害は1月3日 ヨルダン国営TV伝える
2月4日 4時07分

ヨルダン国営テレビは、3日午後7時15分に「われわれのヒーローであるムアーズ・カサースベさんが殺害された」と字幕で伝えました。この中で、「ムアーズさんは先月3日に殺害された」と伝え、「イスラム国」側が後藤健二さんの解放に向けたヨルダン政府との交渉のときにはすでに殺害されていたとしています。ただ、その根拠については触れていません。

家族は深い悲しみに

イスラム過激派組織「イスラム国」が、拘束していたヨルダン軍のパイロットムアーズ・カサースベさんを殺害したとする映像がインターネット上に投稿されたという知らせは、現地時間3日午後7時前、ヨルダンの首都アンマンにいるムアーズさんの家族にも入ってきました。
アンマンの集会所でムアーズさんの解放を訴える記者会見の準備をしていた父親のバッサムさんは、うつろな表情で親戚に両脇を抱えられながら車に乗り込み、その場をあとにしました。集まっていた家族の中には、泣き叫びながらその場にうずくまる人もいて、現場は深い悲しみに包まれていました。
ムアーズさんの親族の男性は「『イスラム国』の奴らはイスラム教徒ではない。ただの犯罪者だ。私たち家族はこの悲しみにどうやって耐えればいいのか」と涙を浮かべながら話していました。
また、ムアーズさんの叔父は、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューに答え、「ヨルダン政府は彼の命を救うために何もしなかった」と政府の対応を批判したうえで、「イスラムの教えに反している」と怒りをあらわにしています。

アンマンに衝撃広がる

ヨルダン軍パイロットのムアーズ・カサースベさんが殺害されたとみられる映像がインターネット上に投稿されたことを受けて、ヨルダンの首都アンマンでは衝撃が広がっています。
タクシーの運転手をしている男性は「殺害が事実だとすれば、『イスラム国』を絶対に許せない。本当に悲しい事態になってしまった」と話していました。また、別の男性は「なぜパイロットを救出できなかったのか。国民からはヨルダン政府に対しても怒りの声が上がるだろう」と話していました。

ヨルダン軍「復しゅうする」

ヨルダン国営テレビは現地時間3日午後8時からのニュースの中で、「ヨルダン軍は、ムアーズ・カサースベ中尉を助けようと努力してきたが、『イスラム国』は、彼の命を救うことを拒否した。ヨルダン軍は、この行為を非難するとともに、ムアーズ中尉の家族に対して、哀悼の意を表したい。そして、われわれはこの行為に対して復しゅうする」とするヨルダン軍の声明を伝えました。

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