お金を貸したい人とお金を借りたい人をウェブ上で直接結びつけることをP2P(ピア・ツー・ピア)レンディングと言います。

そのP2Pレンディングの最大手企業は、最近、ニューヨーク証券取引所に上場したレンディング・クラブ(ティッカーシンボル:LC)です。

そのレンディング・クラブが中国のeコマース企業、アリババの米国でのパートナーになると発表されました。

アリババの米国サイトはAlibaba.comですが、このサイトを利用する在米の中小企業が短期の運転資金などを調達する際、レンディング・クラブがその仕組みを独占的に提供するというものです。

このサービスは「レンディング・クラブによって駆動されたアリババ・ドットコムのeクレジットライン」という謳い文句を使用するそうです。

一例として、アリババ・ドットコムを利用しているマーチャントが商品を仕入れる際、買いたい商品はアリババ・ドットコムで見つけられたけど、先立つお金が無いのですぐに仕入れられないというケースがあったとします。その場合、このeクレジットラインを利用すれば、あたかもクレジットカードを利用するような簡単さで与信を受けられ、商品を仕入れることが出来ます。あとの支払いは仕入れた商品を売った代金で済ませれば良いわけです。

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レンディング・クラブは大きく分けて個人への融資のビジネスと中小企業への融資のビジネスの二つを展開しています。

今回の発表は、このうちの後者に関連します。

アメリカではそもそもアリババ・ドットコムの存在自体が未だマイナーなので、今回の発表がレンディング・クラブの業績に大きなインパクトを持つとは思えません。ただマーケティングの目の付け所としては、とても面白いと思いました。