高浜原発再稼働:住民説明会、ビデオで代替 町が検討 

毎日新聞 2015年02月03日 19時36分

 原子力規制委員会が近く安全審査「合格第2号」とする関西電力高浜原発3、4号機の地元同意手続きで、立地する福井県高浜町が、審査結果の住民説明会の代わりにケーブルテレビでのビデオ放映を検討していることが分かった。規制委事務局の原子力規制庁が3日の定例記者会見で、野瀬豊町長から審査内容を説明するビデオの制作を要望されたことを明らかにした。規制庁は「制作するかどうかも含めて検討中」としている。

 昨年9月に合格第1号になった九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)では、県が5カ所で説明会を開催。規制庁の担当者が審査内容を説明し、住民の質問に答えた。ビデオによる説明だけでは、質問の機会が失われることになる。

 規制庁によると、野瀬町長は1月30日に「町内ほとんどの世帯が視聴できるケーブルテレビを活用したい」とビデオ制作を要望。住民説明会を開く意思は示さなかったという。高浜町の担当者は「住民説明会は騒然として冷静な雰囲気が保てず、質問できるのも一部の人だけ。ビデオは多くの人に見てもらえる」と説明した。【酒造唯】

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