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ハイパーカミオカンデ計画 国際研究グループ結成
2015年02月03日08:46
写真:ハイパーカミオカンデ計画 国際研究グループ結成
ハイパーカミオカンデ実現へ向け国内外の研究者が集まったシンポジウム=千葉県柏市、柏の葉カンファレンスセンター

◆100万トン級水槽、ニュートリノ観測へ

 飛騨市神岡町で行われているスーパーカミオカンデ実験を飛躍的に発展させる「ハイパーカミオカンデ計画」の実現へ向けた国際共同研究グループが結成され、千葉県柏市の柏の葉カンファレンスセンターで記念シンポジウムを開いて本格的に活動をスタートした。

 共同研究グループは、世界13カ国の研究者と研究機関が結集して組織。計画では、神岡町内の地下に新たに100万トン級の巨大な水槽を建設。直径48メートル、長さ250メートルの円柱水槽2基で、内部には感度をこれまでの1.5倍に高めたセンサーを9万9千本取り付ける。2025年の運用開始を目指し、宇宙を飛ぶ自然ニュートリノや、茨城県の大強度陽子加速器施設(J−PARC)から発射するニュートリノビームを観測。世界的な研究成果を出してきたこれまでをさらに大きく上回る精度で素粒子や陽子の研究を行い、素粒子物理学の新たな展開や宇宙の起源に迫る新発見を目指す。

 シンポジウムには約110人が参加。計画の概要が紹介された後、世界各国の共同研究グループや国際協力について発表した。また、計画の中心となる東京大宇宙線研究所と高エネルギー加速器研究機構が、具体化に向けた協定に調印。梶田隆章研究所長は「ハイパーカミオカンデは、非常に重要なプロジェクトであり、これだけの規模で共同研究できることをうれしく思う。実現へ向けどんどん計画を進めたい」と話した。