(全然最近じゃないヤツもあるが)気にするな!
■「敵は海賊~猫たちの饗宴~(1989)」 01話/OVA
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重田敦司作画。重田さんというと、葉脈のような細かいディテールを入れてカゲやハイライトを入れて爆発を描かれます。後は煙、爆発の展開の仕方が特徴的かなあ。爆発した球体から、ランダムに派生して爆発球体が増えていく。とどのつまり、ボールが煙の中で転がるように展開していく。これは煙・爆発の基礎的な部分でもありますが、まさにその応用で素晴らしいエフェクトとなっている。
![40]](http://megalodon.jp/get_contents/200348124)
![42]](http://megalodon.jp/get_contents/200348125)
そんでこの重田さんはエフェクト作画において、多大な影響を与えているということで。板野一郎や金田伊功、磯光雄と並ぶくらい偉大なんですが、僕自身把握しきれていない部分が多いので、そういうお話はまた今度。できたらやる。やれたらやる。
■「グリザイアの果実(PS/2000)」
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橋本作画。これはゲームの方の「グリザイアの果実」OPでクレジット確認できなかったんですが、もうこの煙のフォルムとタイミングと衝撃波はいかにも橋本作画らしい。煙のフォルムの無作為・ランダム(要するにデコボコということ)な点や、衝撃波の流線的な部分がそれらしさを存分に醸し出している。橋本作画をあまり知らない人のために、以下少し比較画像で説明。
<「ワンピースOP15」との比較-エフェクトフォルム>
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フォルムの比較。デコボコフォルムに楕円形のディテールは橋本系とカテゴライズしてもいいほど、特徴付いている。これが橋本作画においての一番の大きな要素である。
■「白詰草話(PC/2002)」 OP
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こちらもエロゲOPですが、クオリティ高い煙が見られたので(ミサイルの煙はそんな良くないけど)。これ中盤の白コマもいいんですけど、ラスト弾丸射出シーン後の煙が現象としてリアルさがあった。
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このエフェクトの有無で、シーン全体の印象は大きく変わると思う。決してこのエフェクト作画がずば抜けている、というわけではないんだけど、理に適っていて、説得力が増す。後述の「夜ノヤッターマン」とは対照的に、拙いながらもしっかりとした思考を通って描いている感じがある。
■「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998)」 劇場
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シャッタープシューのシーン。ナデシコ劇場版は、やはりブラックサレナと夜天光(北辰が乗ってるヤツ)の戦闘がカッコイイわけですが、細かいところも光っていて良い。この煙は特に好み。ここに至るまでに「長い期間封印されている場所がある」というのが説明されているんですが、ピンと来ないわけですよ。この扉が解放され、古い空気や埃が混じった煙がじわあっと出てくるヴィジュアル的なインパクトで、初めてしっくりくるんですよね。百聞は一見に如かず。
■「四月は君の嘘」 11話/TV
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小島作画かも。アバン。一連のシークエンスを眺めるに、アクションが素晴らしく良かったので、エフェクトがあんまり触れられてない様子。いや、このオモチみたいなエフェクトいいですね。最後に、ちょっと持ち上がるんですけど、それがいい。後ヅメがまさしく効果的に働いているんだと思う。
そんで、「夜ノヤッターマン」03話についての爆発作画について。
■「夜ノヤッターマン」 03話/TV
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「爆発カッコイイ!」と聞いていた割に、あまり良くなかった。様式美に近いデフォルメ調の爆発をやりたいのか、それともリアルな爆発をやりたいのかどうかが分からなかった。これが、当該作画を魅力的に感じない原因の主な部分だと思う。つまり、中途半端すぎる。単色を否定するわけでもないけど、流石にハイライト無しはやりすぎではないだろうか。後はカゲも。左から光が入っているのに、完全に無視されて爆発だけが独立している。
僕が感じたのは、この作画は自分の好きな形・作画でしかアニメートされておらず、最初からリアルの現象の考慮などは一切されていないということ。極端に単純化していえば、何も考えずに脳みそに入ってる「いい作画リスト」から引っ張りだしてコピペしてるだけと感じる。誤解を招きたくないので言っておくけれど、模倣が悪いと言っているわけではない。模倣に対しては、昇華(自分なりの発展性)が必要不可欠であるのにも関わらず、この作画には昇華の要素が感じられず、これではトレスどころか、単なるgifアニメにしか過ぎない。それがこの作画に対する印象であり、魅力の無さの発現元でもあると思う。
最近の若手アニメーターは、作画に対してアクション志向が強く、エフェクトは二の次になっている場合が多い。そのため、煙や爆発などを作画するときにアクション作画と同様の思考をしてしまい、タイミングで押す場合が非常に多い。つまり、ゴリ押しになっている場合が多い。そのことによって、ディテールや細部はぞんざいな扱いを受ける。
こう感じると同時に、誰が描いたかは分かんないんだけど、大変にモッタイナイと思う。爆発を描けるだけの画力はおそらく持っているだろうに、使っていない。使えば、注目浴びること間違いなしの爆発作画になるはずなのに、全力を出し切っていない。やはり中途半端に感じる。モッタイナイ。 Tweet
■「敵は海賊~猫たちの饗宴~(1989)」 01話/OVA
重田敦司作画。重田さんというと、葉脈のような細かいディテールを入れてカゲやハイライトを入れて爆発を描かれます。後は煙、爆発の展開の仕方が特徴的かなあ。爆発した球体から、ランダムに派生して爆発球体が増えていく。とどのつまり、ボールが煙の中で転がるように展開していく。これは煙・爆発の基礎的な部分でもありますが、まさにその応用で素晴らしいエフェクトとなっている。
そんでこの重田さんはエフェクト作画において、多大な影響を与えているということで。板野一郎や金田伊功、磯光雄と並ぶくらい偉大なんですが、僕自身把握しきれていない部分が多いので、そういうお話はまた今度。できたらやる。やれたらやる。
■「グリザイアの果実(PS/2000)」
橋本作画。これはゲームの方の「グリザイアの果実」OPでクレジット確認できなかったんですが、もうこの煙のフォルムとタイミングと衝撃波はいかにも橋本作画らしい。煙のフォルムの無作為・ランダム(要するにデコボコということ)な点や、衝撃波の流線的な部分がそれらしさを存分に醸し出している。橋本作画をあまり知らない人のために、以下少し比較画像で説明。
<「ワンピースOP15」との比較-エフェクトフォルム>
フォルムの比較。デコボコフォルムに楕円形のディテールは橋本系とカテゴライズしてもいいほど、特徴付いている。これが橋本作画においての一番の大きな要素である。
■「白詰草話(PC/2002)」 OP
こちらもエロゲOPですが、クオリティ高い煙が見られたので(ミサイルの煙はそんな良くないけど)。これ中盤の白コマもいいんですけど、ラスト弾丸射出シーン後の煙が現象としてリアルさがあった。
このエフェクトの有無で、シーン全体の印象は大きく変わると思う。決してこのエフェクト作画がずば抜けている、というわけではないんだけど、理に適っていて、説得力が増す。後述の「夜ノヤッターマン」とは対照的に、拙いながらもしっかりとした思考を通って描いている感じがある。
■「機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-(1998)」 劇場
シャッタープシューのシーン。ナデシコ劇場版は、やはりブラックサレナと夜天光(北辰が乗ってるヤツ)の戦闘がカッコイイわけですが、細かいところも光っていて良い。この煙は特に好み。ここに至るまでに「長い期間封印されている場所がある」というのが説明されているんですが、ピンと来ないわけですよ。この扉が解放され、古い空気や埃が混じった煙がじわあっと出てくるヴィジュアル的なインパクトで、初めてしっくりくるんですよね。百聞は一見に如かず。
■「四月は君の嘘」 11話/TV
小島作画かも。アバン。一連のシークエンスを眺めるに、アクションが素晴らしく良かったので、エフェクトがあんまり触れられてない様子。いや、このオモチみたいなエフェクトいいですね。最後に、ちょっと持ち上がるんですけど、それがいい。後ヅメがまさしく効果的に働いているんだと思う。
そんで、「夜ノヤッターマン」03話についての爆発作画について。
■「夜ノヤッターマン」 03話/TV
「爆発カッコイイ!」と聞いていた割に、あまり良くなかった。様式美に近いデフォルメ調の爆発をやりたいのか、それともリアルな爆発をやりたいのかどうかが分からなかった。これが、当該作画を魅力的に感じない原因の主な部分だと思う。つまり、中途半端すぎる。単色を否定するわけでもないけど、流石にハイライト無しはやりすぎではないだろうか。後はカゲも。左から光が入っているのに、完全に無視されて爆発だけが独立している。
僕が感じたのは、この作画は自分の好きな形・作画でしかアニメートされておらず、最初からリアルの現象の考慮などは一切されていないということ。極端に単純化していえば、何も考えずに脳みそに入ってる「いい作画リスト」から引っ張りだしてコピペしてるだけと感じる。誤解を招きたくないので言っておくけれど、模倣が悪いと言っているわけではない。模倣に対しては、昇華(自分なりの発展性)が必要不可欠であるのにも関わらず、この作画には昇華の要素が感じられず、これではトレスどころか、単なるgifアニメにしか過ぎない。それがこの作画に対する印象であり、魅力の無さの発現元でもあると思う。
最近の若手アニメーターは、作画に対してアクション志向が強く、エフェクトは二の次になっている場合が多い。そのため、煙や爆発などを作画するときにアクション作画と同様の思考をしてしまい、タイミングで押す場合が非常に多い。つまり、ゴリ押しになっている場合が多い。そのことによって、ディテールや細部はぞんざいな扱いを受ける。
こう感じると同時に、誰が描いたかは分かんないんだけど、大変にモッタイナイと思う。爆発を描けるだけの画力はおそらく持っているだろうに、使っていない。使えば、注目浴びること間違いなしの爆発作画になるはずなのに、全力を出し切っていない。やはり中途半端に感じる。モッタイナイ。 Tweet