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流産恐れの「リンゴ病」、各地で感染拡大- 全国最多の宮城県、4保健所で警報値超過
ほおが赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」の感染拡大に伴い、東北地方や首都圏などで警報基準値を上回る地域が相次いでいる。1月19日から25日までの週の全国の患者報告数は28道府県で前週より増えた。都道府県別で最多となった宮城県は、4つの保健所管内で警報基準値を超過。妊婦が感染すると胎児の異常や流産を引き起こす可能性があるため、患者が増加傾向の自治体では警戒を強めている。【新井哉】
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国立感染症研究所がまとめた1月19日から25日までの週の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、定点当たり前週比5%増の0.45人を記録し、昨年12月のピーク時を上回った。都道府県別では、宮城が1.45人で最も多く、次いで神奈川(1.16人)、石川(1.03人)、東京(0.84人)、千葉(0.77人)、埼玉(0.76人)、福岡(0.75人)、福島(0.71人)、岩手(0.7人)などの順だった。
患者が増加傾向の自治体で警報基準値の2.0人を上回る保健所管内が続出。宮城県の石巻(2.4人)と大崎(2.2人)、仙台市の若林(3.5人)と青葉(2.71人)、福島県の県南(2.25人)、埼玉県の朝霞(2.71人)、千葉県の船橋市(2.18人)、東京都の南多摩(2.11人)、神奈川県の小田原(5.0人)と厚木(4.45人)、茅ヶ崎(2.29人)、福岡県の城南(7.33人)、佐賀県の杵藤(2.2人)などの保健所管内で警報基準値を超えた。
朝霞保健所管内で患者が大幅に増えるなど、2011年の流行時とほぼ同じ水準で県内の患者数が推移している埼玉県は「前年同時期より多い状況」と説明。朝霞市も「幼児から小学校低学年までの子どもが多く報告されている」と指摘し、保育園や幼稚園、小学校などで、集団発生があった場合、「妊娠中の人はできるだけ集団に近づくことを避ける」といった予防策が必要としている。
伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、10―20日ほどの潜伏期間の後に、ほおに赤い発疹が現れた後、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。
一方、成人では、ほおの赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があるという。
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