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白紙となった秘密遺言 小さなミスでただの手紙に
税理士が教える「相続こんなはずじゃなかった」悲話（上）
- 公開日時
- (1/4ページ)
- 2015/1/29 7:00
イラスト：おだ辰夫
父が亡くなった時、Aさんの母はすでになく、相続人はAさんと妹の2人だけ。遺産は900平方メートルの土地とその上に立つ自宅、貸家、アパート、それに現預金で、Aさんはどうやって妹と分ければよいのか頭を悩ませていた。そんな時、父の部屋で遺言書を見つける。
Aさんの父が用意していたのは、自分で書いた遺言を封筒に入れて公証役場に持ち込み、「内容」を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらう「秘密証書遺言」。Aさんは遺言書を家庭裁判所に提出し、「検認」という手続きを経て約1カ月後に父の遺言書を手に入れた。
「これでトラブルなく遺産分割ができる」。悩みから解放されたAさんは、相続税について相談するため遺言書を携えて税理士を訪ねた。ところが税理士は遺言書を見るなり、顔を曇らせ「残念ながら、この遺言書には不備があります」と断じた。
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