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2005年10月 9日 (日)

共謀罪廃案をあきらめない

 2005年10月8日、日本出版労働組合連合会(東京都文京区)会議室で、「共謀罪に反対する表現者たちの集い」実行委員会の初会合が開かれた。

 実行委員(ボランティア15名・当日、欠席者も含む)は、跡部由光(救援連絡センター)、安藤裕子(電機労働者)、岩本太郎(フリーランスライター)、小川裕夫(フリーライター)、沢田竜夫(フリーライター)、篠田博之(『創』編集長)、篠原隆史(『財界展望』編集部)、渋井哲也(フリーライター)、清水直子(フリーライター)、長岡義幸(ジャーナリスト)、西村仁美(ルポライター)、濱崎誉史朗(社会評論社)、武藤久登(編集・校正者)、矢部史郎(作家)の各氏と筆者。

 共謀罪法案は2003年3月11日に初めて国会へ提出されて以来、廃案(2003年10月10日)、再提出(2004年2月20日)、再廃案(2005年8月8日)、再々提出(2005年10月4日)という経過をたどっている。しかも、実質的な審議が行われたのは、2005年7月12日の衆議院法務委員会の1日のみ。

 国民が罪を犯さなくても、警察や検察が「4年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯そうと、共謀していた」と認定すれば、それ自体が犯罪(5年以下の懲役・禁錮)とされてしまう共謀罪。

 そもそも、このような「共謀」が犯罪として処罰できるのか(行為が既遂でも未遂でも予備〈準備〉でもなく、「話し合った」だけ。つまり、「そういう話は出たけど、実際に何も行動していない」場合でも処罰される)という大問題があり、法曹界から強い批判が出ている。

 しかも、共謀罪が成立すれば、政権が警察や検察を使い、反対勢力弾圧に利用することも火を見るより明らか。なにしろ共謀罪が適用される犯罪は600以上もあり、なんでもかんでも「共謀していた」と因縁がつけられるのだ。戦前、治安維持法のもと、特高(特別高等警察)や思想検事がばっこしていた時代は間違いなく再来する。

「共謀罪に反対する表現者たちの集い」実行委員会は、共謀罪再廃案の一助ともなった「『共謀罪』の廃案を求める! 表現者・言論人の緊急共同声明」(2005年7月28日発表・後掲)の実働部隊がパワーアップしたもの。2005年10月22日、都心繁華街で通行人も買物客も楽しく参加できるイベントを計画している(詳細が決まりしだい、本ブログでも告知する)。

 実行委員会初会合で、沢田氏は「ふつうに審議したら、今国会の会期末(2005年11月1日)までに共謀罪が成立するわけがない。自民党・公明党は総選挙で得た圧倒的多数を背景に、とにかく採決へ持ち込むつもりだ。我々、表現者が市民も巻き込み、民主主義を守ろう」と述べた。

 共謀罪が再々廃案となるかどうかは、まず短期決戦で今国会を乗り越えられるか(継続審議とさせられるか)にかかっている。

「共謀罪」の廃案を求める!
表現者・言論人の緊急共同声明

 7月12日、衆議院法務委員会で共謀罪の本格審議が始まりました。共謀罪とは、実行行為に着手しなくても、会話・話し合いと合意だけで処罰できるという近代刑法の原則をくつがえすとんでもないものです。法務省は、共謀罪は労働・市民運動に適用されることはないと弁明していますが、その本質は、思想・団結・言論表現の圧殺であり、盗聴・スパイ・密告社会を促進するものです。恣意的な解釈や拡大解釈を可能にする共謀罪は、まさに21世紀型の治安維持法といっても過言ではありません。

 こうした治安法は、犯罪の国際化、凶悪化、組織犯罪の取り締まりといった名目や、テロの恐怖や排外主義が煽られる中で、「安全・安心の街づくり」の一環として市民社会に浸透しようとしています。それは、戦争のできる国づくりのために、さらに新自由主義グローバリゼーションによる弱肉強食・優勝劣敗・適者生存社会の中で激化する社会矛盾を押さえ込むためにも不可欠のものなのです。

 この共謀罪が国会に提出された2003年以降、4回の国会ではいずれも審議入りに至らず、今国会では8月13日までの会期延長の中で、成立が目論まれています(7月20日現在、法務委員会は中断のまま)。その間、弁護士、刑法学者、労働・市民運動などの粘り強い反対運動が取り組まれてきました。多様な分野で反対声明が発せられ、この12~14日には、国会前でハンストも闘われました。新聞各紙や週刊誌なども、ようやく共謀罪の問題と危険性を指摘する報道が開始されました。

 こうした中で、言論・表現の現場に携わる者たちを中心に緊急共同声明を発することになりました。この声明は、各々の言論・表現の現場で、共謀罪のみならず進行する治安管理社会の実態を暴き、抗するメッセージであるとともに当面する国会の動きに合わせて、議員、メディア、世論に訴え、廃案に追い込むための様々なアクションを呼びかける試みです。

 すでにこの間、ビラを配ったり、投函するだけで逮捕・起訴される弾圧が相次ぎ、出版の領域でも、取材や言論・表現の根幹にかかわる不当な弾圧や圧力が相次いでいます。私たちは、こうした事態を憂慮し、新たに構築されようとする有事―治安管理社会の到来にストップをかけることを宣言します。そして目前にも成立が強行されんとする共謀罪の廃案に向け、この声明を発します。

2005年7月28日

【声明発表者】
青木理(ジャーナリスト)/青木理恵子(NPO法人「CHARM」事務局長)/青山敬子(フリーライター)/青山賢治(大蔵出版社長)/赤石千衣子(「ふぇみん」婦人民主クラブ)/明石昇二郎(ライター)/浅野健一(同志社大学教員)/足立岳(フリーライター)/荒井香織(編集者)/有原誠治(アニメーション映画監督)/安齋徹雄(デザイナー)/安藤和夫(神奈川平和工房)/飯田基晴(映像制作者)/飯村直也(ルポライター)/五十嵐美那子(生活思想社)/生田卍(ミュージシャン)/池田香代子(翻訳家)/石碕学(亜細亜大学教員)/石田洋之(スポーツライター)/イシデタクヤ(ダンサー)/石丸次郎(アジアプレス)/板橋洋佳(新聞記者)/伊田浩之(『週刊金曜日』副編集長)/板谷信彦(教員)/伊藤芳博(詩人)/稲葉奈々子(茨城大学教員)/井上敦(防災業)/井上愛彩(記者)/猪野健治(ジャーナリスト)/井野良介(『別冊宝島Real』編集長)/今井恭平(アクティビスト)/今井亮一(交通ジャーナリスト)/岩川保久(翻訳・通訳者)/岩崎達也(編集者)/岩瀬達哉(ジャーナリスト)/岩田行雄(『検証・憲法九条の誕生』著者)/岩畑正行(「水と森と平和の声」代表)/岩淵達治(演出家)/岩本太郎(フリーランスライター)/上嶋勝巳(鳥取演劇集団)/魚住昭(ジャーナリスト)/内山正之(西日本出版社)/梅津和時(音楽家)/及川健二(在仏ジャーナリスト)/及川道比古(平凡社編集者)/大内顕(著述業)/大富亮(チェチェンニュース発行人)/大野晃(スポーツジャーナリスト)/大平一誠(浄土真宗本願寺派僧侶)/岡﨑智(フリーライター)/岡留安則(元『噂の真相』編集長)/岡部一明(東邦学園大学教員)/岡本明文(フリーライター)/小沢修司(フリーライター)/押谷友之(環境アドバイザー)/織田和家(ルポライター)/落合博実(ジャーナリスト)/開田誠(なし)/笠井一暁(ダイヤモンド社)/加藤剛(日本ジャーナリスト会議会員)/要友紀子(SWASH共同代表)/金子榮子(北海道男女平等参画審議会委員)/金子美晴(編集者)/金田宣紀(大学教員)/鎌倉圭悟(マンガ家)/鎌田慧(ルポライター)/亀井洋志(ジャーナリスト)/粥川準二(ジャーナリスト)/川崎万里(晶文社)/川崎賢子(文芸評論家)/川端浩史(舞踏家)/神林広恵(フリーライター)/キー(反戦ラクガキ裁判被告)/きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)/岸山征寛(編集者)/北井大輔(編集者)/北川由紀彦(山谷労働者福祉会館活動委員会)/北健一(ジャーナリスト)/北村尚紀(編集者)/北村肇(『週刊金曜日』編集長)/木下郁(フリー編集者)/金香清(『週刊金曜日』編集部)/木村暢恵(現代人文社編集者)/金連(画家)/清末愛砂(大学非常勤教員)/清田義昭(『出版ニュース』編集長)/國貞陽一(フリーライター)/くれはまゆみ(京都府木津町議会議員)/黒薮哲哉(ルポライター)/郡島恒昭(「靖国参拝違憲『福岡判決』を生かす会」代表)/古賀典夫(「怒っているぞ!障害者切り捨て全国ネットワーク」会員)/小谷洋之(ジャーナリスト)/児玉芳枝(主婦)/小槌大介(新聞記者)/小林道雄(ノンフィクションライター)/小林律子(現代書館編集部)/込山愛香(大学院生)/小柳暁子(未来社編集部)/小山美和(出版労働者)/今一生(フリーライター)/近藤ゆり子(「9条の会・おおがき」世話人)/犀川博正(元警視庁警察官)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/斎藤三雄(『内外タイムス』記者)/坂口貞雄(光文社ペーパーバックス編集部)/坂田拓也(ジャーナリスト)/佐久間真弓(ライター)/笹倉尚子(ジャーナリスト)/笹村出(あしがら農の会)/佐藤彰(道出版編集長)/佐藤敏朗(フリーライター)/佐藤義文(フリーライター)/里村兆美(記者)/沢田竜夫(フリーライター)/澤田裕(フリーランス編集者)/沢辺均(ポット出版社長)/塩見孝也(評論家)/篠田博之(『創』編集長)/篠原隆史(『財界展望』編集部)/志葉玲(ジャーナリスト)/渋井哲也(フリーライター)/島村麻里(フリーライター)/清水達生(ミュージシャン)/清水直子(フリーライター)/下村昭夫(『出版メディアパル』編集長)/城倉由光(なし)/陣内直行(映像プロデューサー)/新村恭(日本出版労働組合連合会中央執行委員長)/杉原洋(南日本新聞記者)/鈴木敦士(弁護士)/鈴木邦男(「一水会」顧問)/鈴木佳太(業界紙記者)/鈴木孝弥(文筆家)/鈴木正晴(会社員)/須藤久美子(インパクト出版会)/関口暁子(東京母親大会連絡会事務局次長)/園山弘子(主婦)/醍醐聰(東京大学教員)/髙木真明(編集者)/高崎真規子(フリーライター)/高沢幸男(寿支援者交流会事務局長)/高田昌幸(新聞記者)/高橋玄(映画監督)/高橋秀明(『小説すばる』編集部)/竹内一晴(フリーライター)/竹内誠(記者)/田中愛子(京都ywca会員)/田中大介(教師志望)/田中裕司(編集者)/田原大輔(フリーライター)/月崎時央(ジャーナリスト)/佃克彦(弁護士)/津田哲也(ジャーナリスト)/土屋彰久(政治学者)/常岡浩介(イスラム教徒)/津村洋(『国際主義』編集)/寺澤有(ジャーナリスト)/寺園敦史(フリーライター)/寺西和史(裁判官)/東本久子(学校に自由の風を!ネットワーク)/トシダミツオ(アーティスト)/長岡義幸(ジャーナリスト)/中川敬(ミュージシャン〈ソウル・フラワー・ユニオン〉)/中里英章(七つ森書館)/中根享(出版社勤務)/長野浩二(フリーライター)/中村信也(新聞記者)/なすび(山谷労働者福祉会館活動委員会)/名和靖将(ジャーナリスト)/西英子(住基ネットに反対する市民の会)/西岡研介(取材記者)/西尾宏昭(ライター)/西光之輔(住基ネットに反対する市民の会)/西村仁美(ルポライター)/橋謙太(編集者)/橋本健午(ノンフィクション作家)/羽田喜美子(教師)/羽月雅人(異ジャンルコミュニケーター)/濱崎誉史朗(社会評論社)/浜野佐知(映画監督)/林克明(ジャーナリスト)/林圭介(『日本遊技通信』編集長)/林磨利子(パート勤務)/春田雅子(なし)/春田倫弘(カメラマン)/東田健(編集者)/樋口聡(トラベルライター)/久田将義(『NONFIXナックルズ』編集発行人)/秀村冠一(京都女子大学教員)/日名子暁(ルポライター)/日夏露彦(美術評論家)/深田卓(インパクト出版会編集者)/福田稔(詩塵)/藤田夏子(ゲーム制作)/藤田美津子(自営業)/藤田恵(元木頭村村長)/藤宮礼子(フリーライター)/藤村陽子(PBI〈国際平和旅団〉フィールドボランティア)/藤原正樹(校閲業)/保坂展人(ジャーナリスト)/星野新一(編集者)/星野渉(文化通信社記者)/星山京子(靖国・天皇制問題情報センター通信)/細木悟(pepop)/前田栄作(フリーライター)/前成照(唄うたい)/枡野浩一(歌人)/増山麗奈(画家)/松丸和夫(中央大学教授)/松丸健二(核燃やめておいしいごはん)/真弓準(ライター兼カメラマン)/丸田潔(フリーライター)/丸山昇(ルポライター)/三浦和義(作家)/宮川亨(宝島社編集1局企画編集部編集長)/三宅勝久(ジャーナリスト)/宮崎学(作家)/宮下博文(新文化通信労働組合)/宮台真司(首都大学東京教員)/みゆきてつ(マンガ家)/武藤久登(編集・校正者)/目森一喜(作家)/茂木遊(戦争に反対する中野共同行動)/森口秀志(フリーライター)/森達也(映画作家)/諸橋泰樹(フェリス女学院大学教員)/八柏龍紀(歴史教師)/安田浩一(ジャーナリスト)/柳原三佳(ジャーナリスト)/山岡俊介(ジャーナリスト)/山口一臣(『週刊朝日』副編集長)/山口貴士(弁護士)/山口正紀(ジャーナリスト)/山崎喜宏(『FLASH』編集部)/山澤火野子(立川・反戦ビラ弾圧救援会)/山下幸夫(弁護士)/山田厚俊(大谷昭宏事務所記者)/山田洋子(主婦)/山本ケイ(記者)/山本志都(弁護士)/山本俊雄(日本出版労働組合連合会出版・産業対策部)/山本英夫(フォトグラファー)/山本夜羽音(マンガ家)/米田綱路(『図書新聞』編集部)/礼田計(交通裁判ライター)/綿井健陽(ビデオジャーナリスト)/渡部真(フリーランス編集者)

合計247名(50音順)。肩書きは自己申告。

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