関西電力:美浜原発3号機再稼働申請へ 40年運転目指す

毎日新聞 2015年02月02日 19時53分

 ◇大飯原発1、2号機も春以降に 9基再稼働の意向が明確に

 関西電力は2日、稼働から38年経過する美浜原発3号機(福井県)を再稼働させるため、3月末までに新規制基準に基づく安全審査を原子力規制委員会に申請する方針を正式発表した。併せて稼働から35年たつ大飯原発1、2号機(同)も、春以降に同じ審査を申請することも表明。これで関電は、保有する原発11基のうち、廃炉の方向の美浜1、2号機(同)を除く9基を再稼働させる意向が明確になった。

 原子炉等規制法では原発の運転期間は原則40年と定められている。ただし、規制委が認めた場合は、1回に限って最長20年の運転延長ができる。美浜3号機の運転を延長するためには、原発再稼働に必要な安全審査とは別に、機器の老朽具合を調べる特別点検を自社でしたうえで今年9〜12月に延長の申請が必要だ。関電はその準備を進めるとともに、大飯1、2号機も春以降、準備が整い次第すみやかに安全審査を申請する方針。

 関電は、原発が長期間停止しているため、2015年3月期は1610億円の4年連続の連結最終(当期)赤字になる見通しだ。昨年末には、今春からの電気料金の再値上げを申請したが、抜本的に収支を改善するためには原発再稼働しかないと判断し、再稼働に必要な手続きを急ぐことにした。収支改善により、電気料金は再値上げ後に早期に値下げをしたい考えだ。

 すでに稼働から40年を超えている美浜1、2号機の運転方針については、関電は「3月末までに判断する」とするが、廃炉を決断する公算が大きい。【浜中慎哉、古屋敷尚子】

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