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古代人の人間観という要素は、伊預部馬養連によって書き記された「浦島説話」を読み解く核心的論点になると考えています。

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北辰

「古代中国では、あらゆる星々が、北極星を中心にめぐることから、この星を全宇宙を司る星とし、最高レベルの神として崇拝するようになった。
また、北極星の位置する星座は、総称して、中宮と呼ばれ、彼らが最高神として崇める天帝の常居として拝された。北極星(北辰)は、昊天上帝、玄天上帝、北極大帝、天皇大帝、北辰聖神星とも呼ばれ、天帝の化現した姿と信じられていたのである。
日本の天皇の語源もここからきており、陛下とは、最高神である天皇と人とをつなぐ神官を意味する。
陰陽道における北辰の概念は、中国のそれとほぼ同じもので、天地草創の中心に位置する宇宙根源の神とされる。この星から日月が生じ、五を生じ、五星となり、それが五行になったといわれる。さらに五行からは人が生じ、人間の根源をたどればおのずと北辰に達する。
北辰はまた、道教の中心的な神である太一とも同一視されている。太一はその星をめぐる四星(妃星、皇子星)や十二星(藩臣)らとともに紫宮(紫微宮)と総称されているが、紫は五行によると、最貴の色であり、北方を最貴の方角であるとする北辰信仰と一緒になって、紫微星は天帝の星とみなされるようになった」(陰陽道の本ー日本史の闇を貫く秘儀・占術に系譜 p117 学研 1998年)。

方位と緯度の指針となる北辰(北極星)は、全天の不動の中心点として絶対の尊貴性が付与され、「子(ね)の星」とも呼称される。「子」は、万物の根源である太極あるいは太一と同義とされる。

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