(2015年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ前国王の死去を受け即位したサルマン新国王〔AFPBB News〕
サウジアラビア国外の多くの人にとっては、1月下旬のアブドラ国王の死は、この国で起きた別の出来事にほとんどかき消された。
問題の出来事とは、国王の死の2週間前に、イスラム教を侮辱した罪でむち打ち刑に処されたリベラル派のブロガー、ライフ・バダウィ氏の事件だ。
しかし、バダウィ氏のむち打ちを巡る激しい騒動は、国内では取るに足らない出来事だったようで、当局者や一般市民はバダウィ氏が集めた注目に驚いた。
サウジアラビアの当局者らは、同国は過激主義の感情の高まりや、近隣のシリア、イラク、イエメンでのスンニ派ジハード(聖戦)主義者からの脅威といった雲が立ち込める中でリベラルな意見と保守的な意見のバランスを取ろうとしているため、議論に制限を設けることが必要だと主張する。
国内の見方と海外の見方との間にある断絶は、サルマン新国王が直面する多くの課題の1つだ。
79歳の新国王は国民への最初の声明の中で、この国は「サウジアラビアが建国以来従ってきた正しい政策を引き続き忠実に守る」と謎めいた言い方をした。
政治的感情を抑えるためならサウジのワッハーブ派イスラム教を利用しても構わないという考え方に同調する伝統主義者として知られるサルマン国王は、聖職者の支配層に迎合するだろうと考える人もいる。
中東情勢が混沌とする中での難しい舵取り
だが、サルマン国王の支持者たちは、保守派とリベラル派の双方に支持者を持つ国王は、西側の要求に屈することなく政治的、社会的議論を徐々に開放するという兄の政策を継続すると主張する。
「人々は今、中東の至るところで目にする不確実性について心配している。彼らは安定を望んでいる」。全国人権協会(NSHR)の副議長でもある大学教授、サレハ・アル・ハトラン氏はこう話す。「サウジ国民は、変化によってどんな幕が開くのか不安に思っている」
外部の人間からするとサウジアラビアの変化の速度は遅々としているように見えるが、サウジアラビア政府の当局者たちは、ゆっくりした段階的なアプローチは、対立する国内のリベラル派と保守派の間を切り抜けていく唯一の道だと主張する。
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