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日本のマスコミはアメリカ政府に属している

   テレビといえば、現代の多くの人々にとってはもっとも身近なマスコミであるだろう。
   インターネットが普及したとはいえ、いまだに大きな力を握っている。日本発の民放である日本テレビの創設は、「日本のテレビ放送の父」と言われる正力松太郎の功績とされている。しかしこれは史実の一つの側面に過ぎない。

   2000年に、「日本帝国政府情報公開法」がアメリカで制定され、これまで機密扱いとされてきた過去の重要書類が一般公開された。そのとき早稲田大学教授の有馬哲生氏が渡米し、米国立公文書館に眠っていた474ページにも及ぶ機密ファイルを調査した。そして驚くことにそこには、元警察官僚で大物政治家の正力松太郎が、テレビを通じて親米世論を形成するために、アメリカ政府の諜報機関であるCIAと協力関係にあったことが明記されていた。その内容は、有馬教授の著書『原発・正力・CIA』、『日本テレビとCIA』に詳しく書かれている。

   有馬教授の調査をもとに、日本におけるテレビの歴史を以下に紹介する。
   敗戦後、武装した米軍兵士が各地に駐留して治安の維持を確保していた。それは現在のアフガニスタンやイラクの状態と同じである。それが連合国総司令部、つまりGHQ統治と呼ばれるものだ。そして昭和27年にGHQが撤退した後は、それに代わりCIAなどのアメリカ政府の情報機関が対日政策の主導権を握るようになった。これらの情報機関によって日本支配計画として導入されたのが、日本におけるテレビ放送であった。

   このために、日本のテレビシステムはすべてアメリカのものがそのまま流用され、当時のテレビ番組にも、アメリカが日本人にとって憧れの的になるようなものが意図的に放映されたのであった。それが野球やプロレス、西部劇などである。その目的とは、進駐軍が撤退した後も日本国民が親米感情を持ち続けるようにと、日本国民をコントロールするためにほかならない。つまりアメリカ政府の日本支配の方法が、武力によるものから洗脳へと変わり、銃を持った米兵がテレビに代わったのだ。

   つまりテレビは、アメリカ政府の「日本国民の遠隔支配装置」なのだ。
   そしてアメリカ政府の背後には、ロックフェラー一族の存在がある。つまり大きな視点から見るならば、国際銀行家が日本のマスコミの支配者であることがわかるのだ。

   また日本の通信社の歴史をたどってみると、戦時中をのぞき、世界情勢に関するニュースの配信をロイターやAP、AFPなどの欧米の通信社に依存してきたことがわかる。情報の入手を相手に依存するということは、相手のいいように情報が操作されてしまうことでもある。明治時代には国内にも多くの新聞社と通信社が乱立したが、政府による繰り返される言論弾圧で潰され、政府追従の大手の新聞社だけが残った。しかしその新聞社と通信社もアメリカ側から圧力を受け、AP通信に倣(なら)って合併が行なわれ、日本人が知らないうちに情報の一本化に仕向けられていった。そしてこれがそのまま、戦時体制下の日本の通信社の基礎となったのだ。

   つまり日本を英米と戦争させるために、英米人の手によって日本の情報社会が計画的に整備されたのである。その後、戦時中の大手マスコミは軍部の言論統制に協力し、国民を無駄な死へと追い込んだ。戦後もマスコミの人間たちは戦犯として裁かれることもなく、以前の持ち場に復帰して、日本のマスコミ界を支配した。仕える主人が日本軍からアメリカ政府に代わっただけで、同じ企業と人脈が現在も日本のマスコミの上層部に居座っている。彼らは戦争時にはその本性を現すが、平時には、国民にお笑いやスポーツなどの娯楽を提供して人々の知性を貶(おとし)める。

   太平洋戦争の前年、政府は近所の人々の非国民的な振る舞いを互いに監視させ合うために「隣組」(となりぐみ)という制度を作った。それは5軒から10軒が1組で、ご近所同士が助け合って親しくしましょうという触れ込みで、「隣組」の歌まで作って流行らせた。「とんとんとんからりんと隣組~」という明るい調子の歌詞だ。この曲は戦後、テレビ番組の「ドリフの大爆笑」のオープニング曲として歌詞を変えて再流行した。この番組では国民的笑いの創造のために、笑いの同調と増幅効果を狙った「ラフトラック」と呼ばれる音響技術がアメリカから導入された。これは人工的な笑い声や拍手を挿入するものである。これを作った制作会社は国内の政財界と強力なコネクションを持ち、英米の財閥ともつながりを持つ。この曲は幾度となくテレビCMに使われ、最近でも耳にする。音楽や娯楽を通じ、国民の政治的関心を明るい平和ボケへと誘導することも、マスコミの仕事の一つなのだ。

   マスコミの成り立ちを知らされていない我々は、マスコミに疑いの目を向けながらも大方のところでは好意を持って信用している。大手マスコミ各社は民間の一企業に過ぎないにもかかわらず、彼らは「客観・公平・中立」を掲げながら、毎日偏向した報道を流す。我々はその風潮に完全に慣らされてしまい、それがいかに異常なことであるかに気づく力を失ってしまった。歴史を見てもわかるように、通信社はもともと投資家や国家のために設立された情報機関であり、大手マスコミが設立された目的は世論誘導と営利追求である。それ以上でもそれ以下でもない。つまり、マスコミや通信社とは、国民の利益のために作られたものではないのである。そして、テレビはその最たるものである。

   善良な市民として、テレビや新聞にもまだジャーナリズムの正義があると思いたい心情は、少なからずあるだろう。しかしマスコミの歴史を知れば、そこには「客観・公平・中立」な報道が存在したことは一度もなく、初めから幻想であったことに気づかされる。「いくら政府やスポンサーに頭が上がらないとしても、ニュースくらいは事実を伝えるだろう」と思う人も多いだろう。しかし、世論を操作する側の立場からすれば、ニュースこそがもっとも操作に利用したいものなのだ。

   日本が占領統治されていた当時のアメリカ政府内の心理戦局文書には、次のように書かれている。「ニュース素材の提供は、いかにも作為的に行なわれていると、日本人が気づかないように細心の注意を払って行なわれなければならない。」最後の部分の「日本人に気づかれないように細心の注意を払って」とあるが、ここから読み取れるものは、それは我々にすぐばれてしまうような単純なものではなく、かなり手の込んだテクニックが使われていることである。そこには日本人の心理を知り尽くしたうえで、ニュース構成と世論誘導が行なわれているのだ。

 マスコミ報道の常套手段
   「叩き」  
マスコミを所有している国際銀行家(ロックフェラーやロスチャイルドたち)にとって、戦略やビジネスの展開に都合の悪い人物や企業、商品を事故やスキャンダル報道などでイメージを傷つけ、社会的信用を失墜させる手法のこと。

   このパターンには、「ミラーマン」の汚名を着せられた経済学者の植草一秀教授の例が当てはまる。彼が国策逮捕されたのは、郵政民営化の裏側の情報を伝える彼の本が出版される直前であった。当時の日本の郵便局は国営であったので、海外では資産運用ができなかった。そこで、アメリカ政府は日本人の郵便貯金を手に入れるために小泉首相と竹中大臣に働きかけ、郵便局を民営化することを計画した。つまり株式会社にしてしまうことで、海外での資産運用という形で資産を奪い取ることができるからである。そして、300兆円を超える国民の貯金は民営化後にアメリカ国債やヨーロッパの外債の購入に充てられることになった。その大元は国際銀行家だから、郵便局をいったん民営化することでそれができるのである。その危険性を訴えようとしたのが植草氏であり、アメリカ政府とそれに追従する日本政府の権力中枢にとって、彼は目の上のたんこぶの邪魔者であったのだ。

   現在では、郵政民営化の真相や植草氏の冤罪(えんざい・政府による国策逮捕)を知る人も多いが、何も知らない世間一般の人々の見方は、いまだにただの痴漢事件である。アメリカ政府と日本の権力中枢とマスコミが結託した「叩き」は多くある。アメリカ政府と結びついた検察(検察は戦後米国進駐軍によって作られた組織)の捜査の可視化に手をつけようとした小沢一郎氏や、ロシアと独自のパイプを築き始めた鈴木宗男氏が「政治と金」の問題で叩かれるのも、アメリカ政府の手先として動くマスコミの仕事であり、彼らマスコミは「正義」とは無縁なのである。

   さらに政治以外の分野においても、欧米の国際銀行家たちの大きな医療利権にとって好ましくない自然療法や、ワクチン接種に反対するホメオパシー療法なども、指示によって動くマスコミの標的の一つになっている。その一方で、アメリカ政府の要求に協力した小泉氏や竹中氏のような政治家や、大手製薬会社がどんなに汚いことをしてもマスコミに叩かれることはない。彼らがアメリカ側の命令を裏切ったり、大きな集団訴訟でも起きれば話は別だ。マスコミで悪者にされる人物や団体の裏側には、マスコミが社会に知られては困ると考える多くの真実が隠されているのだ。

   「逸(そ)らし」  何か重要な事件の存在を国民の目から隠すために、他のどうでもいいニュースを大々的に取り上げて、視聴者の注意や関心をそらしたり、論点をすり替えて報道する手法である。

   このパターンの代表的な例は、国連がよく使う「平和運動」や「環境保護」関連のニュースがある。広島の平和祈念のときには、毎年「核のない世界」などの軍縮のニュースがアピールされ、古い核ミサイルなどが廃棄される裏側で、弾道ミサイル防衛構想など新型兵器のビジネスが推進されている。他にも国民の反対を受けそうな法案や予算が国会で審議されるときには、政治的関心から国民の注意をそらすために、芸能人の麻薬であるとか、愛人、離婚、暴力騒動、また相撲界の八百長問題など、ありとあらゆるニュースが公共の電波を占拠する。

   「宣伝」  ニュースに見せかけて、スポンサーの商品を視聴者の潜在意識に刷り込む手法である。

   近年特に頻繁に見られるのが、インフルエンザや風邪などの感染症が流行しているというニュースである。これらのニュースは一般的なCMよりも効果的だ。視聴者は無意識のうちにスポンサーである製薬会社のワクチンや風邪薬、石鹸会社の抗菌製品や消毒薬を買うように仕向けられる。その伏線として、ある病気が流行する前から、「00病流行の兆し」として、自然発生するはずのない感染症の流行が予告され、わずかな症例が全国規模のニュースで流される。時には、対応が遅いとして、各種行政機関や医療機関を叩くことまで平気でやってのける。これらは国民の安全を守っているとして行なわれるために、何かの意図があってやっていると疑う人はまずいない。(略) 

   

        book 「マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている」 THINKER著 
                      徳間書店5次元文庫

                           抜粋


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