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明治維新はロスチャイルドが仕組んだ

   お金の流れから世界の近代史を見てみると、大きな出来事がすべて一本の糸でつながっていることがわかる。歴史の複雑さの謎が解けるのだ。我々が学校教育で習った歴史や一般常識の歴史には、国際銀行家とお金の存在がそっくり丸ごと抜け落ちている。そして出てくる登場人物は全て政治家や軍人だけである。その歴史観を車にたとえるなら、自動車の外観だけを見て、車の全てを判断しているようなものなのだ。我々が見ているのは車の外観だけで、歴史も同じなのだ。戦争がどのように作られるのかといえば、その原動力はお金である。そしてそのお金がどこから誰によってもたらされたのかを知ることなしに、本当の意味で歴史を理解することはできない。

   国際銀行家のお金が日本に影響を与え始めるのは、幕末からである。
   あの伊藤博文や坂本竜馬も、ロスチャイルド一族とつながっていた人物であった。ロスチャイルドやロックフェラーの名前は教科書には出てこないが、実は歴史の背後には常に彼らの存在があったのだ。江戸時代、長い間鎖国していた日本は、明治に入ると西洋文明を取り入れ、一気に近代化へ向けて加速して行った。その裏には何があったのだろうか。

   一般的な通説では、明治維新の一大事業を成し遂げたのは、薩摩藩や長州藩、それに土佐藩など地方の下級武士であったとされている。代表的な人物には、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允(桂小五郎)などがいる。ほかにも、テレビドラマ化されて再三登場する坂本竜馬などがいた。そして、彼らの背後にいたのが、ロスチャイルド一族の使用人であるイギリス人の、トーマス・グラバーという武器商人であった。この人物こそが、明治維新のキーマンである。

   グラバーは、イギリスのロスチャイルド一族の貿易会社マセソン商会の社員として中国の上海に来た後、日本の長崎にやって来た。そこでマセソン商会の日本支社であるグラバー商会を立ち上げ、幕末の混乱を利用して薩摩藩や土佐藩などの倒幕側に武器や弾薬を提供した。そして坂本竜馬もグラバーから約7000丁のライフルを売ってもらい、それを薩摩藩名義で長州藩へ横流しすることで、薩長同盟を成功させたのである。つまり竜馬も、幕府を倒したいグラバーの計画通りに動かされていたのだ。これを示すグラバーの言葉が残されている。

   「徳川幕府の反逆人の中で、自分が最大の反逆人だったと思う。」
   「このグラバーが日本のために一番役に立ったと思うことは、私がハリー・パークス(イギリス公使)と薩摩・長州の間にあった壁をぶち壊してやったことです。」

   こうしてグラバーがイギリスのロスチャイルド家のために働く一方で、フランスのロスチャイルド一族は、江戸幕府を支援していた。このように日本の幕末から明治初期の動乱の間、ロスチャイルド一族は、幕府側と倒幕側の両方に武器を提供して大儲けしたのである。つまりどちらが勝っても彼らが利益を手にし、支配権を握るような仕組みであった。これこそがヨーロッパで彼らが実践し、今もなお活用している手段である。表向きにはイギリスとフランスは、日本の支配権争いで対立しているように見えていたが、これがロスチャイルド一族のやり方であって、彼らは国を超えてつながっていたのだ。しかしそのことは、幕府側にも倒幕側にもわかるはずはなかった。

   また日本の初代内閣総理大臣の伊藤博文は若いときに、長州藩の仲間と一緒にイギリスに留学している。そしてイギリスのロスチャイルド家当主やそれにつながる人たちのお世話になっている。この若者たちは5人いたので「長州ファイブ」と呼ばれたが、イギリス側からは「マセソン・ボーイズ」と呼ばれていた。それは彼らの世話をしていたのが、ロスチャイルド一族に仕え、グラバーのボスでもあったマセソン商会社長のヒュー・マセソンだったからである。

   日本人から見れば後に天下の宰相になるにしても、彼らはまだ20歳そこそこの少年たちに過ぎなかった。伊藤博文をはじめとする5人の長州藩の若者は、いずれも後に明治新政府で要職に就くことになる。ほかにも15名の薩摩藩士の若者たちがイギリスに留学している。そして彼らは政治家になった後に、恩を受けたロスチャイルド一族の要求に沿った制度改革を実行に移していくことになる。

   こうしてイギリス人の存在も含めて明治維新を見直すと、それはロスチャイルド一族とその配下のイギリス人たちが、日本の下級武士たちに起こさせたクーデター(倒幕)であったことが見えてくる。その後、イギリス勢は下級武士と協力し、明治維新と呼ばれる数々の構造改革を行ない、日本を間接支配していくのである。


        book 「マスコミとお金はこうして人の幸せを食べている」 THINKER著
                      徳間書店6次元文庫

                          抜粋


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