はじめまして。
はじめましてで申し訳ありませんが相談がございます。
私は生まれてこの方、猫と住んでいなかった時期がございません。小学生の時に一緒に暮らしていたシャムの雌猫は、脱走したついでに子供を作ってきて子供を6匹生んでくれたり、現在も4匹の猫と共同生活をしております。私にとって(多くの猫好きがそうであるように)猫は、人生から切り離すことのできない大切な存在です。相談は現在、共に暮らしているうちの一匹、“もふ”という猫についてです。もふは4歳のキジトラ白猫です。ほとんど甘えてこないけれど稀に(4日に一回くらい)2~3分ほど撫でてほしい時間があったり、膝に乗りたい時間があるようで擦り寄ってきます。あとは悠々自適に、たまに自分の生んだポポという息子に猫パンチをしながら過ごしています。
そのもふですが、1か月に一度くらい、びっくりするくらい甘えてくる日があります。そういう時は、むにゃむにゃ何かを言いながら近づいてきて10分くらい甘えます。その時のゴロゴロの音は、20畳くらいの部屋を充満させられるくらいの音量があります(ちなみに我が家の一番大きな部屋は4畳半です)。
それだけならご相談はしないのですが、聞いて頂きたいのはここからです。
撫ではじめて、ゴロゴロの音やうねうねがだんだん大きくなってきて、それがピークに達したとき、撫でてた手を急に噛みつくのです。甘噛みではなく、多少血が出るくらい噛みつき、そしてダッシュで去っていくのです。ですから毎回、その日が来ると甘えられる喜びと恐怖を感じながら、撫ではじめるんです。
彼女はいったいどんな心境なのでしょうか。もふ以外にそういう猫や人間に出会ったことがないので、まったく想像が出来ません。
村上さんはどう思われますか?
(又吉、男性、30歳、オペラ歌手)
雌猫は性行為が終わると、雄猫に噛みつく習性があります。それと同じで、ものすごく気持ちよくなって、オーガズムみたいなものに達すると、あなたの手に噛みついてしまうのだと思います。悪意はありません。興奮しちゃっているだけです。どうして性行為が終わると噛みついてしまうのか? それについては文春新書から出ている『ねこの秘密』という本(山根明弘著)を読んでみてください。この本を読むと、いろんな猫の秘密が明らかになります。面白い本ですよ。
村上春樹拝