山形浩生 の「経済のトリセツ」

2015-01-31 ピケティ あんちょこ & 東大講義

[]ピケティ東大講義:教授どもは機会を無駄にするな!

ピケティ東大講義、近所なのでのぞきにいきました。

プレゼンは、一昨日の有楽町マリオンやったものとほぼ同じ。説明はちょっと詳しかった。しかし……

司会者はあまり英語うまくなかったけど、まあ一応やるべき務めは果たしていたのでよしとしましょう。講義は少し時間が押し気味。問題は、講演のあとで「対談」と称する代物。

石田英敬教授(図書館の副館長だって)なる人物が出てきて、これ以上はないというくらい中身の薄いスライドを並べて、それをド下手な英語で要領を得ない説明で塗り固める。「ピケティ教授の研究は、長期に着目した」「世界の難問に取りくんでいる」等々、それぞれ5秒で言える(そして言わずもがなの)内容を、うだうだうだうだ5分に引き延ばし、会場からは苦笑嘲笑苛立ちが目に見えるくらい濃厚にたちのぼっているのも気に留めず、35分しかなかった残り時間のうち、20分をこれで浪費。「学生はみんな、萎縮せずに積極的に質問しましょう」というのを数分かけてたどたどしく話すんだけど、それをやめてくれればもう2人くらい質問できたのになあ。そして最後に「ピケティさん、いかがですか」

ピケティ苦笑いするしかなく「その通りですね、質問に移りましょう」で一瞬で流す。

が、最初に指名されたのが、大澤真幸(かな?)。そしてその質問というのが……

「なぜr>gなんですか」

イライライライライライライライラ。しかも「私の英語は下手です」から始めて、資本主義の基盤がどうしたこうしたともってまわった挙げ句にこれだ。ピケティも、まさかこんな「本読んでません」を告白するような質問がくると思ってなかっただろうねえ。でもとっても親切に、どちらもいろんな条件で決まる、だから r=g に必ずなると考えるほうが変、そしてg>rだったら、人は無限に借入したほうが得になってしまうし、また投資したいと思う人はいなくなるからそんなことはあり得ない、するとr>gになる、という(本にもかなり書いてある)説明を繰り返すだけ。これでまた、質問と答えで5分以上浪費。

残り時間があと10分というところで、やっと学生さんの質問になった。ぼくは、かれらの質問はよかったと思う。21世紀の政治はどうなるのか、金持ち子弟の多い東大などの学生へのメッセージは、等々。趣旨のわかりにくいものもあったし、ちょっと大枠の質問ばかりだったけれど、でも真剣だったし、ピケティも真面目に応答していた。もっと続けば具体の内容にまで踏み込んで行けそうな感じ。

それを阻止し、みんなの時間を無駄にして、来場者の時給換算で総額一千万円以上(当社試算)の損害を発生させた石田英敬と大澤は、ポタージュスープで顔洗って、そのまま出直してこないでほしいと思うぜ。

いずれ https://www.facebook.com/todai.tv?refid=17 に映像がアップロードされるらしい。


終わったあと、後ろを見たら……池上彰がすわってた。そしてそれより驚いたのは、向こうがぼくを知っていたこと。ここも見てるって。うへー、昨日(別所だけど)悪口書いたばっかで気まずいなあ(まちがったこと言ったわけじゃないが)。

そしてその隣にいたずんぐりした人、えーと、だれだっけと思っているうちに移動してしまったんだが、佐藤優じゃん。

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