セントルイス連銀総裁:資産バブルのリスク-低金利維持なら
(ブルームバーグ):米セントルイス連銀のブラード総裁は、失業率が低下する中で金融当局が超低金利を維持した場合、資産価格バブルが再び起きるリスクが高まるとの認識を示した。
ブラード総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げするか否かにかかわらず、失業率 がFOMCが完全雇用と見なす5.2-5.5%を下回る水準に低下する「道筋はもう決まっている」と述べた。
総裁は30日、ニューヨークでのインタビューで「経済が過熱気味に推移するのに逆らって、金融政策は向こう2年程度ゆっくりとした動きになるというような話が既に出ている」と述べた。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は昨年、インフレ率を目標の2%に戻すには「経済が少なくとも一定期間、やや過熱気味に推移する必要がある」と語っていた。
ブラード総裁は、資産価格バブルに対する懸念は表明したものの、現時点で明白なバブルの兆候は見られないとも述べた。
総裁は「住宅バブルやインターネットバブルのような規模のバブルは現時点では何も起きていないと考えられる。唯一可能性があるのは国債などの債券だ」と指摘。その上で「私は債券については考慮に入れないだろう」とし、当局のバランスシートを4倍余りの4兆5000億ドル規模に膨らませた債券購入プログラムを指す形で「金融当局がやっていることだからだ」と説明した。
ブラード総裁はFOMCの利上げ先延ばしが長く続き過ぎた場合、恐らく金融市場はいったん利上げが始まれば一段と足早になると織り込み始めるため、FOMCは「難しい決断」を迫られると指摘。「これは試練になろう」とした上で、「バブルのリスク緩和のためにわれわれはどのように対応するかが再び問われる」と説明した。
同総裁は市場が危険な過大評価に陥るのを回避するため規制措置と金融政策の双方を活用するのが良いだろうと表明。「こうした状況の抑止にマクロプルデンシャル(金融システム全体のリスクへの対応を図る)政策のみに頼るのは現実的ではないと思う」と語った。
原題:Bullard Warns of Asset Bubble Risk If Fed Keeps Rates Too Low(抜粋)
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更新日時: 2015/01/31 08:48 JST