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表現の自由の研究者 奥平康弘さん死去
1月30日 20時35分

表現の自由の研究者として知られ、憲法9条についても積極的に発言してきた、東京大学名誉教授の奥平康弘さんが、今月26日、東京都内の自宅で亡くなりました。
85歳でした。

奥平さんは、昭和4年、北海道函館市に生まれ、東京大学卒業後、東京大学や国際基督教大学の教授を長く務め、この間、表現の自由などについて研究してきました。
また、憲法9条についても積極的に発言し、平成16年には、ノーベル賞作家の大江健三郎さんらと共に憲法9条を守ろうと呼びかけ、「九条の会」を発足させました。
去年7月、政府が閣議決定した、集団的自衛権の行使容認に反対する立場から、「九条の会」のメンバーや、ほかの憲法学者らと共に、集会や記者会見などの場で発言を繰り返してきました。
奥平さんは、亡くなる前日にも、都内の集会に参加していたということですが、今月26日未明、急性心筋梗塞のため、都内の自宅で亡くなったということです。

「表現の自由の第一人者だった」

奥平康弘さんが亡くなったことについて、「表現の自由」を研究してきた一橋大学の堀部政男名誉教授は、「奥平さんは、表現の自由の研究において学界で指導的な役割を果たし、第一人者だった。表現の自由を守ることの意義を日本に広く紹介した功績は大きく、亡くなられたことは学界にとっても大きな損失だ。戦前生まれの憲法学者の多くがそうであったように、平和への思いが強く、憲法9条を守る立場で実践的な活動にも取り組んできた」と話しています。

「最後まで命ふりしぼり活動」

奥平さんが呼びかけ人の1人を務めていた「九条の会」の事務局長で、東京大学大学院教授の小森陽一さんは、「呼びかけ人の中で唯一の憲法学者として大きな役割を果たしてきたので大変残念だ。亡くなる前の日の集会にも参加していて、最後まで命をふりしぼり活動に当たっていた。憲法9条を守る立場から、つい最近も、『ことしが正念場だ』と言っていた」と話しています。

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