人質と死刑囚との交換を目指す日本とヨルダンに対し、批判的な立場を表明しているアメリカ政府の姿勢に、アメリカ国内でも偽善的だとして批判の声が上がっています。
アメリカはかねてから、日本やヨルダンに対し「イスラム国」との人質交換交渉について、「テロリストの脅迫に応じる事は賛成できない」として否定的な立場を明確にしています。しかし、アメリカ政府は去年5月、アフガニスタンでイスラム過激派タリバンに拘束されていたアメリカ兵を、拘束していたタリバン幹部5人と交換する形で取り返していました。
「タリバンはテロ組織ではないというのか?」(記者)
「私が言いたいのは・・・」(ホワイトハウス アーネスト報道官)
「タリバンはテロ組織ではないのか?」(記者)
「そうです。彼らを打倒するという戦略には変わりないが・・・」(ホワイトハウス アーネスト報道官)
「テロリストとは交渉しないと言っておきながら、バーグダル軍曹の時は交渉したでしょう」(記者)
ホワイトハウスの報道官は、「戦争捕虜と囚人は異なる」などとして、「今回のケースとは違う」と説明しましたが、記者側は納得せず、押し問答が続きました。
自らは交換によって自国民を取り返していながら他国には人質交換については「テロに屈するべきではない」とするアメリカの姿勢は、ご都合主義で筋が通っていないとして内外から批判が高まっています。(30日08:33)