大阪市交通局:事業公募、局長が特定業者を低採点
毎日新聞 2015年01月30日 15時00分
大阪市交通局で不適正な随意契約が相次いで発覚した問題で、藤本昌信局長が昨年6月、商業施設や事業アイデアの公募で、特定の業者に100点満点中9点と極めて低い採点をしていたことが30日分かった。市契約管財局は「採点は不自然」として、市交通局に調査を求めている。
また、審査は3人以上の外部委員で行うとする内規に反し、審査委員6人のうち局長を含めた5人が局幹部で、局長は委員長を務めた。残る1人の外部委員と、落札した業者は、いずれも局長の知人だった。
交通局などによると、問題の公募は、昨年4月、公募型プロポーザル方式で開始。5業者が企画を提案し、同6月19、20日の審査委員会でプレゼンテーションなどをした。
採点は提案内容などを基に20点満点が1項目、10点満点が8項目の計9項目の100点満点。局長は1業者について9項目全てで1点と採点した。他の5委員は46〜59点だった。局長が採点した最高得点の業者は62点で、落札した知人業者は2番目の57点。この業者は他の委員が高得点をつけるなどしたため最終的に最高得点となり、3240万円で契約した。
知人の業者が落札したことについて藤本局長は、局の調査に「審査当日に知人の業者が現れたので応募していることが分かった」と話したが、「採点は提案内容で判断した」と答えたという。また交通局によると、外部審査委員を決める際、藤本局長は知り合いを含む複数の名前を挙げたという。
問題の公募は昨年12月、内規に反したとして公表された2855件のうちの1件。
公募型プロポーザル方式の随意契約について、市は内規の「市公募型プロポーザル方式ガイドライン」で、透明性や公正性確保のため学識経験者ら3人以上の外部人材で作る委員会で採点し、業者を選ぶとしている。【山下貴史、松井聡】