2014年12月28日
佳子様のティアラと朝香宮允子妃のティアラの違いは?東京都庭園美術館に埋もれていた新資料発見!『パリの皇族モダニズム』から知られざる皇族方の暮らしを読み解く。
角川学芸出版 ブランドカンパニー
明治天皇の第八皇女・允子(のぶこ)妃と夫・朝香宮鳩彦(やすひこ)王は、1920年代パリでどのような暮らしを送っていたのか?本書は、3000枚にもおよぶ受領証から、これまで謎に包まれていた朝香宮夫妻のパリ生活を明らかにします。
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松原眞樹)は、『パリの皇族モダニズム』(著:青木淳子)を刊行しました。
エルメス、ルイ・ヴィトン、トゥールダルジャン、パリ滞在中の平均支出月額約1万2939円--当時の一般勤労家庭の142倍の生活費を使い、皇族はどのような生活を送っていたのか?
今回発見された新史料とは、朝香宮夫妻が大正13年(1923)から約3年間パリに滞在した際の3000枚にもおよぶ受領証を綴じた「受領證綴」。そこには、今も残るエルメス、ルイ・ヴィトン、トゥールダルジャン、ヘンリープール等の老舗ブランドの受領証が一枚一枚丁寧に綴られていました。
二十歳になられた佳子様のティアラは宝飾店・ミキモトが作製しましたが、戦前、つまり明治維新以降、日本の宝飾技術発展以前には、皇族・皇族妃のティアラは西欧の宝飾店に注文された歴史があります。長らくその由来が不明とされていた朝香宮允子妃のティアラが、当時の老舗宝飾店バンスランのものだったことも、今回の調査で解明された新事実です。朝香宮允子妃のティアラは、アール・デコ調のハイセンスなデザインでした。
本書は、受領証の分析に加え、現地調査や外交史料等その他の多くの史料も引用し、夫妻が何を買ったのか、どのような生活を送っていたのかを読み解いていきます。
パリ本店にも現存していない貴重な当時のトゥールダルジャンの受領証など、多くの貴重な写真とともに、朝香宮夫妻のパリ生活、またこの外遊が日本にもらたらした文化的意義である「皇族モダニズム」について紹介します。
《書誌情報》
2014年12月25日発売
『パリの皇族モダニズム 〜領収書が明かす生活と経済感覚』
著:青木淳子(大東文化大学特任准教授/フェリス女学院大学非常勤講師)
四六判/並製/256ページ/本体価格1,500円
発行:株式会社KADOKAWA
http://www.kadokawagakugei.com/
《著者情報》
青木 淳子(あおき じゅんこ):学際情報学博士。出版社で雑誌編集に携わる。結婚を機に退社したのち、2000年以降、東横学園女子短期大学(現東京都市大学)で服飾文化史など、2006年からフェリス女学院大学でファッション文化の非常勤講師を務める傍ら、2013年東京大学大学院学際情報学府で博士号取得。現在、大東文化大学特任准教授、フェリス女学院大学非常勤講師。専門は歴史情報論、比較文化学。