FTA発効3年、対EU貿易赤字100億ドル超

 欧州製ブランド製品の輸入が増えていることも負担だ。欧州製のバッグ・化粧品の輸入額は昨年、前年比で10-11%増加した。主に日本から輸入してきた半導体製造設備、自動車部品もEUとのFTA発効以降、関税が撤廃された欧州製品が日本製に一部取って代わっている。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のユン・ウォンソク情報通商支援本部長は「欧州中央銀行(ECB)による最近の量的緩和が続けば、欧州市場で韓国製品の価格競争力がさらに低下しかねない。そうなれば、貿易収支の改善はさらに遠のくことになる」と懸念した。

■欧州財政危機と欧州産原油の輸入増

 韓国の対EU貿易赤字は、FTAではなく、欧州の景気低迷による一時的現象だとする分析もある。欧州19カ国で構成するユーロ圏の成長率は2011年にプラス1.6%だったが、その後は財政危機が深刻化し、12年、13年はマイナスに転落。昨年も速報値でプラス0.8%にとどまった。

 それにより、韓国の対EU輸出品目が直撃を受けている。代表的なのは、韓国で最大の輸出品目である船舶で、昨年の輸出額(63億ドル)は2010年に比べ半減した。さらに、イランに対する国連の経済制裁で、12年から欧州産原油の輸入を大幅に増やしたことも貿易収支悪化の要因となった。言い換えれば、ユーロ圏の景気が回復すれば、韓国の対EU輸出も再び活発になると言える。

 韓国貿易協会のチェ・ハンジョン研究委員は「対EU貿易で黒字を記録している中国と日本もユーロ圏の経済危機の影響で、最近5年は黒字幅の縮小が続いている。韓国だけ構造的問題を抱えているとは言いにくい」と指摘した。

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