韓国GMの昨年の対欧州連合(EU)輸出額は前年比で約20%減少した。米本社がシボレーブランドを欧州から撤退させたため、欧州向けのシボレー車の90%以上を生産してきた韓国GMが直撃を受けた格好だ。現代自動車も円安などで日本勢に攻勢に押され、欧州市場でのシェアが1年前に比べ低下した。
一方、欧州製自動車は2011年の韓国とEUによる自由貿易協定(FTA)発効以降、販売台数が順調に増えている。昨年の韓国での欧州車販売台数は前年比28%増加した。輸入車市場ではBMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、アウディなどドイツのブランドが上位1-4位を占めている。
その影響で韓国は昨年、自動車貿易だけで11億ドルの赤字を計上した。韓国がEUとの自動車貿易で赤字に転落したのは1990年以来24年ぶりとなる。
バッグ、化粧品など欧州製高級品の輸入が増え続けたほか、先端製造設備や医薬品などでも貿易収支が赤字に転落した。その結果、対EU貿易赤字は昨年1年でついに100億ドルを超えた。欧州の景気低迷が長期化する中、韓国の対EU赤字は慢性化するのではないかとの懸念が高まっている。
■12年から3年連続赤字
韓国の対EU貿易の形勢逆転は11年7月に韓・EUのFTA発効で本格化した。1998年から2011年まで14年連続で黒字だった対EU貿易収支が12年以降は赤字に転落した。韓国政府は当初、EUとのFTA発効で貿易黒字が年平均3億6000万ドル増えると予想していたが、当てが外れた格好だ。
韓国経済研究院のイ・ジュンヒョプ経済動向分析室長は「韓国はFTA効果をまともに享受できずにいるが、EUは関税引き下げ効果の恩恵を受けている」と指摘した。特にFTA発効満3年となる昨年7月以降、排気量1500CC超の欧州製輸入車の関税が完全に撤廃され、欧州車の価格競争力がより高まった。