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滋賀“原発マネー”今年も交付へ 長浜、高島市は申請
原発の立地自治体や近隣自治体に国から配られる電源立地地域対策交付金が、新年度も数千万円単位で長浜市と高島市に入ってくる。関西電力高浜原発(福井県高浜町)の再稼働が現実味を帯びてきているだけに、注ぎ込まれる“原発マネー”が再稼働に慎重な自治体の姿勢に影響を及ぼさないのか、あらためて議論になりそうだ。 交付は、日本原子力発電敦賀原発立地市(福井県敦賀市)に隣接する長浜市と、関電美浜原発立地自治体(同県美浜町)と敦賀市に隣接する高島市に、一九七四年の制度創設から継続。東京電力福島第一原発事故後も変わっていない。額は市内の電力契約戸数や契約電力量に係数を掛けて算定しており、本年度は長浜市に二千百万円、高島市に五千七百万円が交付されている。 使途は自由度が高い。当初はハコモノなどの公共事業に限られたが、形にならない市民サービスにも充てられるように。高島市は防犯灯の維持管理などのほか、小中学校の英語助手(ALT)の採用費用に、長浜市は除雪費用や防犯のための街灯管理などに充てている。 県内では十九日、二市と県の担当者が会議に臨み、二〇一五年度もこれまで通り交付申請する方針を確認。会議後、高島市は「原発が動く動かないにかかわらず、交付金は原発があることで入るもの。国のルールに基づき粛々と申請する」(担当者)と自治体の立場を説明。長浜市は「地域の福祉向上や公共設備の整備費用として理解を得ている」(同)と話す。県市町振興課も「原発に近接する迷惑料という位置付け」として筋はあるとみる。 再稼働反対を訴える市民も交付金には一定の理解を示す。市民団体「『見張り番』滋賀」代表の沢忠起さん(75)=高島市今津町=は「市民はあまり気にしていない。(原発再稼働反対などの姿勢とは)あまり関係がないのでは」と話す。 一方、他県に目を向けると、福島第一原発の周辺で交付対象の福島県南相馬市は、桜井勝延市長が脱原発の姿勢をより鮮明にするため申請を辞退。建設が計画される中国電力上関原発(山口県上関町)に近接する山口県光市の市川熙(ひろし)市長も「子どもたちのために原発に頼らないまちづくりをめざすべきだ」として交付対象になっても辞退する方針を表明している。 (井上靖史、山内晴信) <電源立地地域対策交付金> 原発の建設促進を狙いに1974年に制度化。水力や火力などの発電施設も対象にしており、原子力の交付対象は立地自治体と隣接自治体。国は福島第一原発事故後も全原発が8割ほど稼働しているとみなして支給している。電気料金に一世帯当たり月平均で約100円ずつ上乗せされている「電源開発促進税」の一部が原資。15年度からは原発再稼働を認めた立地自治体を優遇する新交付金制度も運用される。 PR情報
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