Updated: Tokyo  2015/01/29 20:22  |  New York  2015/01/29 06:22  |  London  2015/01/29 11:22
 

年収1200万円の石油業界就職は正しい選択か-米学生が不安視

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  (ブルームバーグ):半年前、石油工学の学位は年収10万ドル(約1200万円)を超える就職先への切符だった。それが現在では、学位を取得しても職業安定所への道をたどることになるかもしれないという不安が広がっている。

原油価格の下落により企業は予算を数十億ドル削減し、数万人を解雇しており、トップレベルの大学卒業者採用に向けた石油業界の取り組みは暗礁に乗り上げている。折しも掘削業界では、原油と天然ガスをより迅速かつ低コストで生産するための新技術の開発がますます重要になっている。

学生やカウンセラー、企業担当者とのインタビューに基づけば、テキサス州やカリフォルニア州の大学に新設されたエネルギー関連課程に入学した若者たちの間で今、自分たちの将来を原油に託してもいいのかという疑問の声が上がっている。

オハイオ州立大学で化学工学を専攻する4年生、ビンス・ミラーさんは「職歴をどのようにスタートさせるか計画を見直す時が来た」と語る。ミラーさんは夏季にノースダコタ州の掘削地で実習生として働いたが、それ以降、仕事がなくなる不安を目の当たりにしてきた。

テキサス工科大学 で石油工学を専攻する2年生、ロハイル・ウラーさんは冬休みに石油業界への就職が依然正しい選択なのかどうか家族や友人と話し合った。原油価格は昨年10-12月(第4四半期)に44%下落した。

シェールブームにより北米全域でエネルギー企業が急速な成長を遂げたため、テキサスA&M大学では、石油業界への就職を目指した工学分野への入学者数が過去10年間に70%余り増加。コロラド 鉱山大学のデータによると、同大でも工学分野への入学者数が過去5年間に倍増した。

科学者とエンジニアの人材争奪戦の激化が年収を押し上げ、トップレベルの新卒者の年収は最高13万ドルに達した。

原題:Graduates Question Six-Figure Oil Jobs as Layoffs Swell: Energy(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ヒューストン Zain Shauk zshauk@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Susan Warren susanwarren@bloomberg.net Robin Saponar

更新日時: 2015/01/29 13:05 JST

 
 
 
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