たねだ治療院ブログ

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東洋医学 その27
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    死生観
    先日閻魔大王の記事を書きましたが、今回は古代中国における死後のお話になります。中国では昔道教が主流となってた頃、肉体は魂(こん)と魄(はく)と言う違う物質が合わさったモノと言う概念がありました。これを合わせて魂魄(コンパク)と言っております。

    魂と魄は易の思想と結びつき、魂は陽に属して天に帰し(魂銷)、魄は陰に属して地に帰すと考えられていました。三魂七魄の数があるとされており、三魂は天魂(死後、天に向かう)、地魂(死後、地に向かう)、人魂(死後、墓場に残る)で、七魄は喜び、怒り、哀しみ、懼れ、愛、惡しみ、欲望からなります。また、殭屍(キョンシー)は、魂が天に帰り魄のみの存在とされております。

    過去の記事(2014.9/3:東洋医学 その21)にも記されていますが陰陽五行からその魂魄を当てはめると、

    五行

    五臭
    五液
    五神 意智 魄気 精志
    五官
    五腑 小腸 大腸 膀胱
    五臓

    この頃は儒教の教えになってきますが、その頃は輪廻転生を言っていた仏教に猛反論するかのように出来た思想であり、その「魂」である気は死んでしまうと散ってしまい、二度と元に戻らないと言うのが儒教の教えになってました。しかし子孫が真心を尽くして祀って、子孫(生者)の気と通じ感応することで、この世に「招魂」されるとする。一度、散じた気=魂魄は集まらないとしつつも、招魂の時は特別とする、となんか変な矛盾している気がしますが、そう言った教えが今の中国の人にも強く残っていて家族をとても大切にするのはそんな儒教の教えが反映しているのではないかと思います。

    肝に魂が宿り、肺に魄が宿るとなります。簡単に言うと、うつわが魄で、中身が魂になるのかと思います。それを踏まえて考えるとうつわのガラや大きさなどは見た目(人種や体型)に繋がり、中身に入るモノ(性格・個性)は千差万別であって同じ物は2つ無いという事になるんですね。

    肉体労働が厳しかったり、アスリートのように身体を酷使している人はその”うつわ”に負担をかけていることになるため「魄」の持っている気が落ちます、東洋医学で言う『肺』は衛気(えいき)と言う気を出します。この気は身体全体の表面を覆い感染症などのバリアの役割りを担う「気」でもあります。なので、衛気が落ちるとバリアが薄くなって風邪などの感染症に掛かり易くなる。と言う理屈が生まれます。肺のオモテは大腸になるので大腸にも影響を与えます(下痢・便秘)

    性格上の問題(落ち着きが無い、短気、臆病)ではその”うつわ”の中身に影響を与えるので「魂」=肝になりますので肝になんらかのストレスが振りか掛かってきます。よく「肝心要」なんて言葉を使用しますが、大きな決断としなくてはいけなかったり、嫌な役回りをさせられたり、大勢の人の前で何かする時なそこの肝、心にストレスが掛かりその関連する疾患が起こります。

    魂魄の概念は別々に考える事はせずに、これも中国の思想なので陰陽で考えます。やはり50:50がベストなのですが、陰陽の概念は先日書いた通り常に流動的であり(時間の経過と共に陰陽を行ったり来たり常に動いている)場合によってはそのバランスが崩れて、どちらかが旺盛だっらり劣勢だったりするので、バランスを取る事が重要になります。陰陽の概念で考えるとその魂魄の概念も表裏一体でありどちらが気が薄くなってもダメよと言う事になります。
    施術のやり方でみると、

    魂と整えてそのまま魂を治す
    魂を整えて魄を治すやり方

    魂を抑えこんで魄を活性化させる、
    魂を活性化させて魄を封じるやり方

    そして、その魂魄の逆然りと
    そんな事を踏まえつつ施術家の考え方(理論に基づく)と経験がその施術に反映してくる訳です。

    昔テレビで流行ったキョンシーにはそんな秘密があったんですね。あれから30年・・・
    あ、生まれてないや(テヘペロ)


    こんな所で年齢のサバをごまかす人のブログでした。
    | 東洋医学 | 10:26 | - | - |