おはようございます、沙久良です
只今イズクエ中ですので、予約記事でございます
⑬です
魂の蓋が開いたように前世を思い出し始めるマチマチ 思い出す度に秘密のブログに記事としてまとめてくれた
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚
江戸時代前期くらいの前世
私は、恐らく大庄屋クラス(地域中で一番大きな庄屋)の家に産まれた。
娘しかいなかったその家の長女だったから、婿を取ることが決まっていた。
その日は村内の神社の祭の日で、日が良かったからか、幼い頃からの許婚の家に挨拶に行った。
相手側は私の家に、そして、私は母と一緒に相手の家に。
帰りに神社へお参りをした。
多分、結婚するという挨拶をしたんだと思う。
家に着くと、玄関と座敷を仕切る衝立の向こうに、誰かが座っているのが見えた。
その人は、私の姿を見ると嬉しそうに微笑んだ。
「母上様、あちらにいらっしゃるお方は、どちら様でしょう?」
まだ、先方が帰っていないのかと思った。許婚とはいえ、相手の顔を知らなかったから。
「何を言っているのです?誰もいないではないですか。」
座敷の方を見た母は、驚くような声で言い、父を呼んだ。
「お前様、先方はもう帰られましたか?」
「あぁ。今しがたお帰りになったよ。どうしてそんな事を聞くのだ?」
「○○(名前・不明)がおかしな事を言うのです。座敷にどなたかが座っていると。」
両親がそういうやり取りをしている間に、その人は衝立の前まで来ていた。
『久しぶりだね。今日は婚礼の祝いに来たんだ。』
何を言われているのかわからなかった。「婚礼の祝い」という言葉を、この方から聞きたくはなかった。
一目見て、好きになってしまったから。
この方が許婚であればいいと思った。
こんなにもはっきりと見える方を、父や母が見えないというのが不思議でたまらなかった。
「父上様、母上様、今ここにいらっしゃる高貴な方がお見えにならないのですか?私は先方かと思いましたのに。でしたら、このお方は一体どなたなのでしょう。」
父と母は狼狽え、妹も様子を見に来た。
私は結婚しないと言いだした。
婿取りの家の縁談破棄が何を意味するのか、分かってはいた。
それでも動きだしてしまった感情を、止める事ができなかった。
両親は怒り、幽閉された。
浮気をしているのであれば、その男との連絡を断てばいいと思ったらしかった。
二、三日したら、諦めるだろうと。
が、私は食を絶ってしまった。
何も食べない日が続き、両親はまた狼狽えた。
譫言のように神の名を呼ぶ私を見て、
「神など本当にいるものか。狐に憑かれたのだろう。」と、人目につかないよう祈祷したりしていた。
どうやら、飲まず食わずで二ヶ月くらい持ちこたえたらしく、両親にも気味悪がられ、あまり寄り付かれなくなった。
このまま亡くなっても、先方には狐に憑かれた事にして穏便に済まそう。まだもう一人娘がいるのだから。
そう言われているのがわかった。
『お願いだから、何かを口にしてはくれないか。』
「私が少しでも食事を摂るようになれば、両親はここぞとばかりに婚礼を進めるでしょう。私はそれが嫌なのです。私はあなた様をお慕い申し上げております。あなた様のお側にいさせてください。」
その方は、布団から起きられなくなった私の目を、悲しそうに見詰めていた。
「どうしてそのような悲しいお顔をなさるのです。私はもうすぐあなた様のお側に行けるのが、心の底から嬉しいのに。」
『そうではない。そうではないのだ。』
そう仰る方の顔を、不思議そうに見詰めた。
そんなお話。
今私が視覚的にあんまり神様の姿が見えないのって、この女子がいるからじゃないかと思った(ーー;)
自分で封印したのか、はたまた封印されたか…
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚
⑭へ続く