降伏応力→降伏点、、名前は如何にも判りやすいが、イザ実験で測ろうとするには試料に焼鈍を施すインチキをしないと判りにくい値。
http://monoist.atmarkit.co.jp/fmecha/articles/zairiki/06/zairiki06_b.html
図3 筆者が学生時代に行った実験データを検証
図5 降伏応力
よく使われる説明図は理解しやすいよう誇張している。
それに降伏点は軟鋼に顕れる変曲点であって、鉄系合金でもステンレスでは顕れないし、焼入鋼、非鉄材料も同じ。なので
図6 樹脂材料の応力―ひずみ線図
と同じ0.2%耐力という値で示すのが標準的(この意味を誤解するヒトも多い)
樹脂の説明は以上でお解りの通り(0.2%)耐力で考えます。
しかしそれも樹脂によりけりで
東栄産業 お役立ち資料
http://www.toueisangyo.co.jp/5/Pra/Pra.htm
中ほどのグラフ
σy:降伏点
となっているが、ここでの意味は軟鋼の降伏点に近い。しかし
硬い脆いもの:a
降伏点=引張強さ
中間のもの:b、c
降伏点 <> 引張強さ グチャグチャ
軟らかいもの:d
降伏点が存在しない
と、とても樹脂一括りでは論じることが出来ない。
>降伏応力を求めるもしくは推定することは可能か?
このようにやっかいな特性を示す樹脂部品をどう設計し、どう評価し、使うべきかはさておき、問いの答えとしては否です。
厳密には材料の物性だけでなく、その形状や組織に依存するので、推定は難し
いと思われます。しかし異方性等を無視して、応力状態や変形の方向を特定し
て単純化すれば、ある程度の計算は可能でしょう。例えば平面応力において、
ミーゼス理論などの塑性理論を応用して応力偏差が降伏点に達するポイント
から塑性変形が始まると考えれば、引張強度,曲げ強度,せん断強度が判れば
推定計算できます。以下参照ください。
http://jikosoft.com/cae/engineering/strmatf01.html
鉄鋼類は、硬度換算表から引張強さをある程度算出が可能です。
但し、ある範囲でのことです。
そして、ある条件の基で引張強さの何割が降伏点や耐力とする大雑把な算出の仕方も
することがあります。
ですが、問い合わせのカテゴリーがプラスチック(樹脂)であれば、推定は無理です。
鉄鋼類、非鉄金属、非金属の括りがありますが、樹脂の名称を特定しその中で強度に応じた
グレードがあるのが鉄鋼類の括りと同じなので、特性で推定が可能かもしれませんが、
樹脂全般であれば非鉄金属と同じ括りとなるので無理でしょう。
それに、降伏応力でなく耐力値となり、永久変形量の数値も鉄鋼類よりは大きく、
多様なクリープ特性も考慮が必要なので、重要度も鉄鋼類よりは高くありません。
URLのプラスチックのすべてがわかる「八十島塾」にて、プラスチックの特性を確認ください。
■参考URL
http://www.yasojima.co.jp/special/plastic/●質問者からのお礼
早速のご回答ありがとうございました。|
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