就職博ではなく、「大人の社会科見学」〜第2回リアル・ウォンテッドリーが渋谷ヒカリエで開催!エンジニア・デザイナー約400人が集結
2015/01/29公開
エンジニア・デザイナー・クリエイター限定で2015年1月27日に開催された第2回リアル・ウォンテッドリー
会場の渋谷ヒカリエに足を運ぶと、まるで学校の文化祭に来たような雰囲気。これは1月27日、シゴトSNSを展開しているウォンテッドリー社が開催した、運命のチームや仕事に出会えるイベント 第2回リアル・ウォンテッドリーの印象である。
リアル・ウォンテッドリーとは、単純な就職イベントと異なり、「普段はなかなか会えないさまざまなチームとの出会いを提供する」ことを目的としたイベント。昨年9月に第1回が開催され、来場者は800名を記録し、スタートアップの企業に多くの出会いを提供することに成功している。
第2回の参加者はエンジニア・デザイナー・クリエイターに限定しており、出展企業はDeNA、サイバーエージェント、面白法人カヤックなどのWeb系企業からリクルートコミュニケーションズ、エン・ジャパンなどの人材系、LITALICOのようなソーシャルセクター系まで多岐にわたる業界が参加した。また、今回はバカルディ・ジャパンが協賛として名を連ねている。
集客はそれぞれの出展企業がSNSや口コミで行い、約500名の事前登録が集まった。当日の来場者は25歳から35歳が中心というウォンテッドリーのサービス利用者と同じ層が中心となった。
なぜ今回は参加者限定で開催することにしたのか、第2回リアル・ウォンテッドリーの企画意図についてウォンテッドリーのビジネス・デベロップメント・大塚早葉さんに話を聞いた。
Webをリアルに「ローカライズ」したサービス
Web系企業から人材系、ソーシャルセクター系など幅広い業界の企業が出展を行った
来場者と企業がお酒を交わしながら会話する第2回リアル・ウォンテッドリー。一般的な転職イベントとは掛け離れた光景に対し、大塚さんはこう語る。
「従来のリクルートスーツを着て、来場する“就職イベント”ではなく、“大人の社会科見学”のような雰囲気を目標にしました。これはWantedlyが面接ではなく、直接話しを聞きに行くところからはじまる出会いを推奨しているためです」
Wantedlyはサービス内の個人ページに『リア充』や『空気読める』などの一風変わった“スキルタグ”の設定ができる。レジュメでは伝わらないパーソナルな部分を企業側が理解できる機能だという声もある。
転職という概念から一歩離れ、求職者と企業が対面するハードルを下げることが、サービスとしての狙いだ。大塚さんはこう続ける。
「第1回の開催時には、『会社訪問はハードルが高かったが、ラフなイベント形式にすることで気軽にスタートアップの熱量を感じることができた』など既存の転職イベントと異なる内容に満足したとの声を参加者の方からいただきました。出展企業さまからも、『通常の採用活動では出会えない層にリーチができた』というコメントが届きました。しかし、一方で参加者の職種に枠を設けなかったため、出会いのミスマッチが生まれてしまったとのご指摘や、カジュアルな雰囲気をさらに磨いたら、もっと面白いものになるのではとのご意見をいただきました」
ミスマッチを防ぎ、気軽に触れ合うためにバカルディを振る舞う
ユーザー、クライアント共に高い満足度が生まれた第1回リアル・ウォンテッドリーだが、課題は残った。大塚さんは改善のために、2つの仕掛けを考えたという。
「第一に企業さまからの要望を反映するために、イベント参加者のターゲットをエンジニア・デザイナーに限定しました。また、各企業からもエンジニア・デザイナーに出席していただくなど人事部だけではない人選を依頼しました」
職種を絞ることで来場者数に関して難易度が高まる。しかし、前回と比較しても遜色のない事前登録者が集まったのは、ウォンテッドリー流のイベントPRとして出展企業側にも行ってもらうというスタイルを貫いたことが背景にある。それぞれの企業が採用に高い意思を持ち、集客に取り組むことでイベントへの注目度が高まる。Webで展開しているWantedlyと全く同じ拡散手法だ。
「第二にバカルディ・ジャパンさんに共催頂き、ボンベイ・サファイアのカクテルを提供しました。もっと気軽にお話できる空間をつくるためにです。お酒を片手に、企業と来場者が飾らない姿で話す。本当の仲間、本当のチームを見つけるには、飾る必要なんてありませんよね?」
イベント企画には大塚さん本人の転職体験が反映される
大塚さんが転職した時に感じたことが、リアル・ウォンテッドリーの企画に活かされている
こうした改善の裏側には、大塚さんの実体験から生まれた転職活動に対する考えがあるという。
「前職の商社を退職した理由は、もっと自分らしく働ける仕事を見つけるため。しかし、転職活動をしてみると、待遇ばかりに目が行ってしまう自分がいました。そんな時、知人の紹介で社長の仲(暁子さん)と出会い、オフィスに遊びに行った際、ここだ!と思ったんです。待遇ではなく、自分らしく働くことができるのが、ウォンテッドリーだと直感しました。一度きりの人生だから、自分が一番満足できる場所を選んだ形ですね」
条件ではなく、何を誰とするのか? が決め手になった転職をした大塚さん。転職活動中に感じていたギャップや疑問を解消する形でリアル・ウォンテッドリーを企画しているという。
「今後の目標は、もっとユーザーが転職という意識を持たずに来場してもらうこと。遊びに来るイメージで来場して欲しいんです。そして、企業側には、文化祭のような雰囲気そのままに、普段出会うことができない人たちと出会ってほしいと思っています」
本当に働きたいチームを見つけた大塚さんならではの実体験からこのイベントは生まれている。ミートアップに近いリアル・ウォンテッドリーなら、大塚さんのように最高の仲間とチームが見つかるのかもしれない。
取材・文・撮影/川野優希(編集部)