世界反ドーピング機関(WADA)が管理する「2015年禁止表国際標準」には常時禁止されている薬物(6系統)と競技期間中禁止される薬物(10系統)が約260種以上載っている。
朴泰桓が摂取された注射剤「ネビド」の成分はテストステロンで、常時禁止されている薬物の中でも最も代表的なS1(タンパク同化男性ホルモンステロイド・Anabolic Androgenic Steroids=AAS)」に属する。AAS系薬物はタンパク質の体内吸収(同化)を促進し、筋肉を早く作り、筋力を強化する効果があり、普通はアナボリック・ステロイドと呼ばれている。 1988年のソウル五輪陸上男子100メートルで1位になったベン・ジョンソン=カナダ=はアナボリック・ステロイド系の成分「スタノゾロール」が検出されたため金メダルをはく奪され、2年間の資格停止処分を受けた。ドーピング防止規則に初めて違反した選手の試料中に禁止薬物やその代謝物質、またはマーカーが存在する場合は、2年から4年の資格停止処分となる。