編集委員・永井靖二
2015年1月29日03時06分
1943年に解体された初代通天閣や空襲で焼失した道頓堀の繁華街など、戦前に撮影された大阪のカラー映像が技術者らの手で復元された。初代通天閣のカラー動画はこれまで知られていないという。
フィルムは当時の愛好家が撮影した計12本で、神戸映画資料館(同市長田区)の安井喜雄館長が収集・保存していた。
パリのエッフェル塔と凱旋(がいせん)門を模して12年に完成し、戦時下に火災に遭って解体された初代通天閣や、カラフルな旗やのぼりで彩られた道頓堀の繁華街、心斎橋の大丸やそごうなどの百貨店などが映っている。映像内の映画の題名から、撮影は37年5月ごろと推定されるという。
フィルムは28年にイーストマン・コダック社が開発し、「コダカラー」と呼ばれていた撮影方式で撮られていた。白黒フィルムの表面に、プリズムの役割をする1ミリ当たり22本前後の細かい溝が彫られ、映像を青緑赤の3色に分解して記録する仕組みで、通常の映写機で再生すると、白黒映像にしか見えないが、専用のフィルターを通して映写すると、カラー画像が現れる。35年に同社がカラーフィルムを開発すると使われなくなった。
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