198センチ・ポレダ、健さん出演「ミスター ベースボール」で予習「勉強になった」
巨人の新外国人、アーロン・ポレダ投手(28)が28日、来日した。198センチの長身から最速158キロの剛速球を投げ込む左腕は、昨年11月に死去した俳優・高倉健さん(享年83)出演の映画「ミスター ベースボール」を出発前に観賞。日本野球を予習してきた、と明かした。196センチ右腕のマイルズ・マイコラス投手(26)=ともにレンジャーズ=も来日。そろって先発ローテ入りを誓った“ツインタワーコンビ”は、31日にキャンプ地・宮崎入りする。
午前5時。米サンフランシスコからの長旅の疲れも見せず、ポレダは笑顔で羽田空港に姿を見せた。初めての来日。身長198センチの左腕は、報道陣に日本の印象を聞かれると熱く語り出した。
「ケン・タカクラが出ている『ミスター ベースボール』という映画を見てきた。とても勉強になった」
日本が誇る名優の名前を挙げ、日本野球について予習してきたことを明かした。
92年公開(日本では93年公開)の米の野球映画「ミスター ベースボール」で、健さんは主人公(トム・セレック)が所属する中日の監督・内山を演じた。選手を厳しく指導する鬼指揮官を熱演し、「野球」と「ベースボール」の違いを表現。「(元広島でレンジャーズ時代の同僚)ルイスらに『これを見れば日本の野球が分かる』と聞いた。ケン・タカクラは監督としてチームのために一生懸命、頑張っていた。礼儀、選手と監督の関係が態度にすごく出ていた」と、何度もうなずいた。
長身から投げおろす最速158キロの速球が武器。昨年はレンジャーズで中継ぎとして自己最多の26試合に登板。2勝1敗、防御率5・91ながら、21回1/3で21三振を奪っている。「持ち球は直球、スライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップ。アグレッシブな投球をするタイプで内角をえぐる。直球を投げ込んで大胆な投球を見せる」と自己紹介した。
先発、中継ぎ共にこなせる万能型だが、巨人では先発候補として期待されている。昨年、左の先発は杉内、内海に続く投手が台頭しなかった。原沢球団代表兼GMは昨年、ポレダ獲得が決まった際に「日本人選手にはない素質を持っています」とコメントしている。
到着後、笑顔でシャドーピッチングを披露、豪快なフォームを初公開した。サービス精神旺盛な明るい性格で、日本で大化けする可能性は十分にある。「日本に来られてうれしい。気持ちが引き締まっている」。健さんから学んだ“大和魂”に自慢の速球を融合させ、巨人の星を目指す。(片岡 優帆)
◆ミスター ベースボール 1992年公開の米国映画。外国人助っ人選手が、日本プロ野球で数々のギャップに悩みながらチームに溶け込んでいく姿を描いたストーリー。主演のトム・セレック以上に昨年亡くなった高倉健さんが、中日時代の星野仙一監督をほうふつさせる鬼指揮官役で出演。また、元ヤクルトのレオン、元阪急(現オリックス)のアニマルら日本球界で活躍した助っ人選手に交じり、昨年、野球殿堂入りしたF・トーマスも新人役で出演して話題になった。