過去記事メンテナンスによる検索順位向上の事例と16のヒント
ブログの特性上、新しいものがどんどん上に積み重なり、古いものは過去へと流されてしまいますよね。せっかく頑張って書いた記事が埋もれていくのは、なんだか寂しいようなもったいないような。
でも、これからご紹介する方法を使えば、その古い記事が再びよみがえる可能性があります。その方法とは、ずばり過去記事のメンテナンスです。これは、運営スタイルにもよりますが、SEO を意識するのであれば有効な手段です。
本日は、メンテナンスにより生き返った実例と共に、チェックすべき 16 の項目を解説していきます。
目次
その過去記事は必要とされているかもしれない
旬なネタを中心にアクセスを集めているのであれば、過去記事の修正はそれほど重要ではありません。今後も、どんどん新しい記事を書いていくのが良いでしょう。
しかし、歳月にそれほど左右されないような内容であれば、過去記事をきちんと修正してあげることで再び日の目を見られるようになる可能性があります。
その記事は、公開当初まったくアクセスを集められず、現在でもポツポツと見られている程度かもしれません。それを「需要がなかったんだ」と判断するのは早計です。もしかすると、ある一部分を修正するだけで生まれ変わるかもしれません。
よくあるのが、「内容はとても充実しているのに、ただタイトルのつけ方を間違えていた」という事例です。検索に引っかからず、情報を探しているユーザーにとっても何の記事かわからないため、アクセス数は伸びません。
どんなに素晴らしい商品でも、その存在を知られなければ誰も買ってくれません。単にアクセスを集めるというだけではなく、そのコンテンツを必要としている人に届けるんだ、という想いで修正作業に取り組んでみましょう。
それが自然と SEO につながります。
時間が経つと客観的に見ることができる
いま運営しているブログの、ひとつめの記事を読んでみてください。
「おお、なんて下手な文章なんだ…」
と思うはずです。いや、思わなければおかしいのです。
もう既にいくつもブログを立ち上げてきたなら別かもしれませんが、はじめてかそれに近いブログだったとしたら、書き続けた経験値がたまっています。
日ごとにレベルが上がっているので、冒険に出たばかりの Lv.1 のひよっこが書いた文章は、とてつもなく稚拙に見えて当たり前なのです。
そして、記事を書いた当時は興奮状態にあったかもしれません。「公開」ボタンを押すのにドキドキしていませんでしたか? (僕は今でもドキドキします)
時間が経てば、冷静にその記事を読むことができますよね。そうすると、興奮のあまり見えていなかったことが発見できるはずです。
当時はわからなかったことでも、今ならわかることがある。そこを修正していくのも、メンテナンス作業の一環です。
過去記事メンテナンスのチェックポイント
記事の修正・メンテナンスは、現在の自分のレベルから見て足りないなと思う点を補っていくので十分です。
一応の指標としてチェックポイントをご紹介します。
記事タイトルの修正ポイントと注意事項
先述の例に挙げたように、記事タイトルは何よりも重要なウエイトを占めています。ここでチェックすべきなのが以下の点。
- タイトルにキーワードが入っているか
- タイトルはターゲットを想定しているか
- タイトルが長すぎないか
キーワードを入れるのは、ただ検索上位を狙うためではありません。ユーザーが、記事を読む価値があるかどうかを見極める判断要素としてもらうためです。
たとえば、もともとのタイトルがこんなものだったとします。
- 修正前のタイトル
- SEO で最も重要なのはコレだとわかった
一見すると、「コレ」って何だろう、と興味をそそるタイトルかもしれません。でも具体性に欠けますね。よもや、“SEO コレ” で検索する人はそういないでしょう。
では、このように変更してみます。
- 修正後のタイトル
- SEO で最も重要なのはタイトル!修正しただけで検索1位になった実例
修正前に比べると、そこに何が書かれているのか一目瞭然です。SEO に興味がある人はもちろん、タイトルを修正しようかどうか迷っている人は必ず読むんじゃないでしょうか。
“SEO タイトル” で検索する人はたくさんいますしね。
もっとも、「誰に向けて書いているのか」を意識する必要があります。
過去記事のタイトルを変更はペナルティになる?
実はこの方法には賛否両論あって、タイトル変更により検索順位が上昇したサイトもあれば、逆に下降したサイトもあるのです。
かたつむりチャンネル さんのブログでは、過去記事のタイトルを大幅に修正したところ、一時的に順位が上がったものの、その後すぐに落ちてしまったとのこと。
正確なところは検索エンジンにしかわからないのですが、過度な変更はマイナスに作用するかもしれません。
だからと言って、「何日間のうちに何度まで」とファールラインを探る必要はないと思います。要するに、その変更がユーザーに向けてのものなのか、検索サイトに向けてのものなのか、ということです。
ユーザーが求めている情報を探しやすくなるのであれば順位が上昇し、単にキーワードを詰め込んだだけのようなものであれば下降する。
もっとも、それらを判断するのは検索エンジンなんですけどね。
見出しタグの修正ポイント
タイトルの次は、見出しをチェックしてみましょう。ポイントは以下。
- 見出しは設定されているか
- 見出しは順序が守られているか
- 見出しにキーワードは含まれているか
一般的に、見出しタグには <h2> ~ <h4> が使われます。最大で <h6> まで使うことができますが、そこまで深くする必要はないでしょう。
基本的な考え方はタイトルと一緒で、ユーザーが見出しを見て必要な情報を探すことができるかどうか、です。
これは本を参考にするとわかりやすいですね。冒頭に見出しとページ数が記載されており、そこで各章にどんな内容が記されているのか推測することができます。
WordPress においては、プラグインを使うことで目次が自動的に生成され、それが検索結果に表示されることもあります。
内容によっては無理に見出しを使う必要はありませんが、比較的長い記事ならば読者の読み疲れを軽減する効果もあるため、導入を考えたほうが良いでしょう。
画像の修正ポイント
記事内で画像を使っているなら、以下が修正ポイントとなります。
- 画像に最適な alt が設定されているか
- アイキャッチには関連画像が使われているか
- テキストを画像に置きかえたほうが理解しやすくならないか
alt に関しては、ただキーワードを羅列したものはスパムとみなされるおそれがあります。もともと、何らかの原因で画像が表示されないときの代わりに表示されるものですから、画像の内容を表すものをいれましょう。
また、アイキャッチ画像が記事一覧のサムネイルとして使用されるようなつくりであれば、変更前と変更後のクリック率を調べてみましょう。このブログでも何度か修正して検証しています。
画像で最も重要なのは、「テキストのかわりに画像を使用することで、ユーザーがより理解を深められるようにならないか」を考えることです。百聞は一見にしかず、というやつですね。
文章校正のポイント
記事の核となるのは、テキストです。
ブログを書き続けた結果、最もレベルアップするのは「読みやすい書き方」じゃないかと思います。まとめると、以下が修正ポイントになります。
- 見出しから見出しまでが長すぎないか
- 箇条書きに変更できるところはないか
- 誤字脱字がないか
- 長い文章をスッキリまとめられる箇所はないか
- 説明部分を別のブロックにできないか
客観的に読んでみて、なんだかイマイチだな、と思うところを直していきましょう。
じっくり読む小説とは違って、ユーザーはあらゆる情報を求めて回遊しています。そのため、だらだと長い文章が続くのは好まれません。すっきり短くできる部分がないかを探してみてください。
一文の長さや段落ごとの行数を変えるだけでも、印象がずいぶんと変わりますよ。
段落だけではメリハリがつかないこともあるので、<ul> や <ol> を使ってリスト化したり、<dl> を使って説明部分を切り離すと読みやすい文章になるかもしれません。
<del> と <s> の使い分け方
情報が古くなってしまった部分や間違っていた部分を、抹消線を使って書き直すことがあると思います。
抹消線は <strike> を使います。
HTML5 では <strike> が廃止されたため、<s> を使います。
CSS でとくに設定していない場合、<s> でも <del> でも抹消線が引かれますが、厳密にはそれぞれ定義が違います。
主流となりつつある HTML5 の場合、<s> は「無効となったテキスト」を指し、<del> は「削除・抹消された箇所」を指します。
わかりづらいですが、あとから修正するときは <del> を使う、と覚えておけば問題ないでしょう。ただし、それほど神経質になる必要はありません。
カテゴリー・タグの修正ポイント
記事単体の修正ではなく、記事をまたいだ全体のメンテナンス作業も重要です。とくに、以下の点をチェックしてみましょう。
- カテゴリーは適切か
- 単体の記事にのみ使われているタグがないか
タイトルや本文に一切手を加えずとも、カテゴリーの見直しを行っただけで検索順位が上昇することもあります。
また、タグに関しては「とりあえず記事ごとにキーワードを詰め込む」というスタイルが一時期定着していましたが、これは検索順位に悪い影響を及ぼすことがあります。
その記事にしか使われていないタグは、タグとしての役割を果たしません。
そのため、ある程度記事がたまってきてから、改めてタグを設定していくのがオススメ。この方法だと、タグページをわざわざ noindex にするようなことをする必要はありません。
カテゴリーとタグは読者を関連記事へと誘導する役目をもつものですから、定期的に見直しを行いましょう。検索エンジンもカテゴリーの階層を重視しています。
記事タイトルを変更したことによる改善事例
このブログでは、アクセス数の 80 %以上が検索サイトからのものです。
今のところ 3 ヶ月に 1 回ほどのペースで上記のメンテナンス作業を行っており、それがアクセス数の底上げにもつながっています。
最も重要であると解説した、タイトルの変更に関する事例を 1 つご紹介します。
タイトルに3文字追加しただけで順位が上昇
タイトルを変更したのはこちらのエントリー。2014 年 1 月に投稿しました。
アクセス爆発!はてブ年間TOP100から学ぶバズるブログタイトルのつけ方
もともとのタイトルは、こうでした。
「アクセス爆発!はてブ年間TOP100から学ぶバズるタイトルのつけ方」
あまり変わっていませんね。ただ “ブログ” の 3 文字を付け加えただけです。これで何がどのように変わったのでしょうか。
まず、公開した直後はシェア数の影響もあり、“ブログ タイトル” のキーワードで 10 位前後をウロウロしていました。その後、どんどん順位が低下し、最終的には 100 位圏外も怪しくなってきたのです。
そこで、5 月に入ってからタイトルを変更してみました。その時点で 90 位前後です。
その後、急上昇と急下降があったものの、安定して 10 位圏内に落ち着くようになっています。
まったく違うタイトルに変更していたら、もしかすると圏外に弾き飛ばされていたかもしれません。勇気がなくて試していないのですが、たった数文字の改変がランキングに影響することがおわかりいただけたのではと思います。
まとめ
修正ポイントをまとめてみます。
- タイトルにキーワードが入っているか
- タイトルはターゲットを想定しているか
- タイトルが長すぎないか
- 見出しは設定されているか
- 見出しは順序が守られているか
- 見出しにキーワードは含まれているか
- 画像に最適な alt が設定されているか
- アイキャッチには関連画像が使われているか
- テキストを画像に置きかえたほうが理解しやすくならないか
- 見出しから見出しまでが長すぎないか
- 箇条書きに変更できるところはないか
- 誤字脱字がないか
- 長い文章をスッキリまとめられる箇所はないか
- 説明部分を別のブロックにできないか
- カテゴリーは適切か
- 単体の記事にのみ使われているタグがないか
これに加えて、デザインの変更や広告を含む各要素の配置を見直すことも必要です。
ブログを毎日更新しているなら、これらの修正作業に割く時間がとれないかもしれませんが、少しずつで良いのでぜひ試してみてください。
過去記事を読むたびに、「全部作り直したい!」という衝動にかられるかもしれません。でも、それは確実にレベルアップしている証拠でもあります。
すべてを完璧にこなす必要はありません。ゆっくり進んでいきましょう。
それでは、また。
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