きょうの健康 耳・鼻・のどの病気 最新情報「アレルギー性鼻炎」 2015.01.21


(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日は3日目です。
テーマは…もう文字を見ただけで症状が…鼻がムズムズしてくるといいますか子どもの頃から鼻炎の症状があるんですよ。
しかも花粉の季節だけではなくて通年性。
ほこり。
吸っただけでもう嫌。
大変ですか。
実はこのハウスダストというのは今のこの寒い時期というのは閉めきった家で暖房しますので舞い上がりやすいという事なんですね。
空気も乾燥してますので鼻の症状が悪化しやすいという事なんですよ。
嫌な季節です。
これから花粉症もありますがこの花粉症については体質を変える事で根本的に花粉症を治す可能性があるという新しい治療が去年から保険適用になっているんです。
症状が起こりにくい体になるという事?そうですね。
すばらしいですね。
興味ありますね。
さあ今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
耳鼻咽喉科で鼻や喉の腫瘍治療がご専門ですがアレルギー性鼻炎の診断治療にも詳しくていらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
アレルギー性鼻炎私だけでなく症状周りを見ても増えているなという印象がありますが実際そうでしょうか?全国的な規模での調査というのはあまり行われてないんですがこれは2008年に全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象にして行われた調査の結果なんです。
これを見ますと39%という。
これアレルギー性鼻炎全体なんですが有病率要するにどれぐらいの人が鼻炎にかかってるかという事を示してるんですが非常に高い数字で10年前に98年に同じ調査が行われてるんですがそれに比べるとかなり増えている。
またスギの花粉症に限って見てみますと20年前の16%から2008年は27%と10%以上増加してるという事が報告されています。
やっぱり増える傾向にあるんですね。
アレルギー性鼻炎全体という言葉ここにもありますがこれタイプがあるんですね。
そうなんです。
一年中症状が認められる通年性という通年性アレルギー性鼻炎。
これは多くは原因がハウスダスト。
家のゴミに含まれるダニなんです。
そのほかにもカビとかもあるんですがあとは犬とか猫ペットの毛とかフケ。
あるいはだ液によっても鼻炎が起こる事が知られています。
だ液というとどういう事でしょう?特に猫などだ液が乾燥してそれが飛散してアレルギー症状を引き起こす事が知られています。
そうなんですね。
もう一つ季節性。
通年性に対応して季節性アレルギー性鼻炎。
これはある特定の季節だけに認められるんですがこの多くは花粉によって引き起こされますので花粉症ともいわれています。
この花粉ですがスギだけではなくてやっぱりいろいろなものが飛んでるんですよね。
季節とか地域によっても非常に異なるんですがこれは関東地方でどんな花粉症を起こす花粉が飛んでるかを示してるものですがこれから2月を迎えますと何と言ってもスギの花粉の飛散が始まります。
一番患者さんが多い訳ですね。
ただ地域によって非常にこの飛散異なっていて東北地方では3月に入ってからまた沖縄とか北海道の北部ではスギの花粉の飛散は認められません。
ただ北海道ではスギの花粉に代わってシラカバの花粉が花粉症では大きな問題になっています。
植生が違いますからね。
そのほかは…。
ほかの季節。
いろいろ花粉飛んでるんですが例えば5月になりますといろんなイネ科の雑草が飛んできます。
特にその中でもカモガヤというのがあるんですがこれは牧草の一つなんですが非常に強い花粉症を起こす事が知られてます。
そうなんですか。
関東地方でも河川敷等では増加が認められてますしカモガヤによる花粉症の患者さんも増えてきてるといわれています。
周り中いろんな原因物質。
嫌ですよね。
私もいつも持ち歩いてんですよ。
花粉の時だけじゃないからね。
こうやって点鼻薬シュッシュッとすぐできるようにとか。
お薬のケースに入れてね。
アレルギーの飲み薬とかね。
これだけじゃありませんよ。
持ち歩くものが多い。
更に…!?いつもマスクがないとね。
マスクまで!これがないともうね…。
防がないと。
吸い込まないようにしないと。
用意周到ですよね。
これがなかなか面倒くさいというかいろいろありますがこういった煩わしさがなくなるかもしれないという新しい治療が花粉症では出てきていると…。
これ大注目ですね。
どんな治療なんでしょうか?舌下免疫療法といわれてるんですがこれまでにない新しいスギ花粉症の治療なんです。
スギ花粉症に対する体質を改善させうる事ができる治療として期待されています。
昨年の10月に保険診療として認められて使用が開始されています。
広く行えるようになった訳ですね。
どんな内容の治療でしょうか?具体的にはスギの花粉のエキスをこのように舌の裏にたらすんです。
そして2分ぐらいそのまま保持して頂いてそのあと飲み込むといったような治療です。
最初は2週間ぐらいかけて少しずつスギの花粉のエキスの量を増やしていきます。
そして3週目以降は維持量といわれてるんですが同じ量のスギの花粉のエキスを毎日舌下して投与して頂く事になるんです。
これは医師の指導を最初受けるんですか?そうです。
1回目だけは医師の前でこの舌下をして頂くんですが2回目以降は自宅で行って頂く事になります。
ただアレルギーの原因物質をわざと入れるという事ですから何か不具合起こりませんか?これまでいろいろ検討で安全性が高い治療だという事は確認されています。
そうですか。
そうしますとスギ花粉もうすぐ関東でも飛び始めますので今すぐ始めたいと思いますがどうですか?残念ながらこの治療は効果が出てくるまでに2か月から3か月はかかるといわれています。
ですからちょっと遅いという事もありますしまた全く副作用がない訳ではなくて口の中の腫れとかかゆみはやはり時々見られるんです。
しかも副作用はやはり開始して1か月ぐらいが特に注意が必要といわれてますしまた花粉症のシーズンは花粉症の患者さんはやはりいろいろ副作用が生じやすい事も分かっています。
ですから飛散開始直前とかあるいはスギの花粉が飛んでる時期には新たにこの治療を開始しないという事が推奨されてるんです。
この治療を始める時期としてはスギの花粉など原因の花粉が飛ばなくなって以降という考え方ですか?はい。
ただ関東とか西日本ではスギの花粉に続いてヒノキの花粉が飛んでくるんですね。
スギとヒノキの花粉というのは構造が似てるためかスギ花粉症の患者さんの多くはヒノキの花粉に対しても花粉症の症状を引き起こしています。
ですから実際に始めるのはヒノキの花粉の飛散も終わる6月以降になってから始められるのがいいと思うんです。
次のシーズンへ向けて6月以降。
それで始めたらどのくらい続けるものなんですか?今のこの治療のエキスでは少なくとも2年から3年以上はやはり治療を継続して頂く事が必要。
ただし治療期間長いんですが終了すれば長期間効果が続く事が期待されています。
2〜3年…毎日。
これちょっと根気が…。
覚悟して受けて頂く必要はありますよね。
そのあげく効果が出ればいいですが効果はどれぐらい出るんでしょうか?これまでの検討では1年半こういう治療を受けて頂いた方について見ますとスギの花粉の飛散のピークの時に軽い症状で済んだ方が大体55%ぐらい。
一方同じ時期にプラセボといって偽薬を使って同じような事をやって頂いた方を見ると25%ぐらいの方が軽症だったので明らかに差が認められています。
効果が出てる。
また大規模な製薬企業の治験の結果もあるんですがこれによりますとやはり1年半続けると花粉の飛散がピークの時になっても17%ぐらいの方が薬もなくしかも症状がほとんど見られなかったという事が報告されています。
ただ一方で効果が全く明らかでなかった方も20%ぐらいいらっしゃったという事なので受けた方が全て効くという訳ではないんです。
そういう事を理解した上で今スギ花粉のエキスを使う舌下免疫療法というお話でしたが私のように通年性のいつもしょっちゅう起きてるダニとかハウスダストとかこれはどうなんでしょうか?通年性の方の多くはダニなんですがダニに用いてのこの舌下免疫療法も実は臨床試験が終わっていて一定の効果が認められている。
ですから多分今年の春以降保険診療として登場するのではないかといわれています。
こういう新しい治療法の登場も期待したいところですが何と言っても日常生活の工夫が大事ですよね。
その点ちょっと教えて頂きます。
こちらで教えて頂きましょう。
それではまずいわゆる花粉症の対策としてどんな事があるか教えて頂けますか?花粉が飛んでる時はできるだけ花粉を吸い込まない。
それから目に入れないという事でまずマスク。
マスクですね。
先ほど濱中さんもしてましたがこれをすると。
一生懸命してる人もたくさん見かけますよ。
花粉症用の眼鏡というのがあるんですが…。
花粉症用の眼鏡ですね。
特殊ですね。
分かりますか?こういう…顔に密着する。
入りにくいんですね。
はい。
これをこうかけるという事ですね。
いい感じになってきましたね。
そして更に…。
髪の毛にも花粉はつきやすいのでこのように…。
帽子でカバーと。
この帽子はツルツルしてますよ。
そうですね。
花粉がつきにくいという素材なんですね。
はたき落としやすい訳ですね。
更に花粉をうちに持ち込まないという事が大事なので外出の時はこのような花粉がつきにくくかつ花粉を払い落としやすいようなコート。
これもツルツルして落としやすいですね。
こうなってくると「どなたですか?」っていう感じですけど。
花粉症の対策としてね。
これぐらいやらなきゃね。
さあ花粉症。
外出歩く時はこれでもいいですが家の中のいわゆるほこりとかハウスダストダニ。
これどうでしょうね?特にダニは布団とかに入り込んできます。
寝具ですよね。
そうですね。
しかも生きてるダニだけじゃなくて死骸もそれからフンもアレルギー症状を引き起こす事が知られていますのでできれば布団を丸洗いするという事が望ましいんですね。
丸洗いする。
そうするときれいにはなるでしょうが布団丸洗いって難しくないですかね?でも今家庭で洗えますというものが売られてますよね。
なるほど。
そういえばコインランドリー行った時に脇に大きなのがあって布団も対応できますっていうのがあったね。
そういうとこでも洗えますよね。
それからクリーニング業者などでも布団を洗いますよというサービスもありますね。
そういう事もできるという事ですね。
ほかに対策というのはありますか?あとは掃除機ですよね。
特にカーペット。
畳もそうですがダニがつきやすいという事がありますので丁寧に掃除機をかける必要があります。
あとできればカーペットではなくて床をフローリングにして頂くとモップとか非常に掃除もしやすいですしダニもつきにくいという事なので望ましいですよね。
そういう素材がね。
ちょっと寝具に戻りますがこの枕カバーこれは何か特別なものなんですか?実は寝具…布団も枕も洗ってもやっぱりだんだんまたダニが入ってくるのでこういうカバーこれはダニが侵入しにくいような目の細かな…。
目が詰んでる非常にツルツルした…。
これだとダニが出はいりできないという事…。
こういう事をする事でまた防ぐ事ができるだろうと考えられます。
今日もいろいろポイントがございましたがまとめをお願いします。
はい。
ダニとか花粉を完全にシャットアウトするのは難しいんですね。
昼間外で花粉を浴びてしまう。
あるいは会社や仕事場や学校でダニを吸い込んでしまって症状が出てしまうとなかなか症状というのは長期間続いてしまいます。
ですからやはり夜あるいは睡眠の時の障害も考えてもやはりきちっと治療を進めていく事が大事なんですね。
原因のものからなるべく遠ざかって治療もしっかり…という事ですね。
お話どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/01/21(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 耳・鼻・のどの病気 最新情報「アレルギー性鼻炎」[解][字]

スギ花粉症では舌下免疫療法という新しい治療法が2014年に保険適用になった。その方法と効果を詳しく伝える。一方、ダニやハウスダスト対策では布団の丸洗いが有効。

詳細情報
番組内容
スギ花粉症では舌下免疫療法という新しい治療法が2014年に保険適用になった。その方法と効果、そして適切な治療開始時期などについて詳しく伝える。一方、ダニやハウスダストのアレルギー性鼻炎では日常対策として布団の丸洗いが有効。家庭の洗濯機やコインランドリー、クリーニング店で丸洗いできる。また、布団や枕のカバーには、ダニが入りこみにくいものもある。
出演者
【講師】千葉大学大学院教授…岡本美孝,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:19039(0x4A5F)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: