新・京都迷宮案内4 2015.01.21


(橘つた子)明日と明後日の2日間休ませていただきたいんです。
(城戸剛史)かまわんよ。
仕事の引き継ぎさえちゃんとしてくれれば。
あ…ご無理言います。
橘君…我々ももう歳なんだ。
疲れたら休みなさい!ね!休んで精気を取り戻さなきゃやってられませんよ!これからも休暇の話は自由に相談してください。
ね?体を労わりましょう。
はい…。
ねっ!?ハハハ…。
なんだ…あっさりOKか…。
(大洞浩次郎)杉浦さん。
キャップがねぇ2日も休みを取ったって小耳に挟んだんですけどね…。
(良成貞子)どこぞ温泉でも行かはるのちゃいますか?え…?温泉って誰と行くの?
(杉浦恭介)誰とってあなた決まってるでしょ。
決まってるって…。
我々の知らないどっかいい男と…ねぇ?え…?そうどすがな大洞はん。
橘はんかてあんた女子はんどっせ?え?ウソ!いやいやそれ…ホントに!?…ったくショックだなぁ。
女将さんさぁ…僕…食欲なくなっちゃったよ。
大洞さんね…最近あの個室露天ってのがあるそうで。
個室露天?橘つた子金溜め込んでるからねそれこそもう一泊10万ぐらいの高級旅館に2人でずっとしけこんでさ…。
い…一泊10万!?んであんた男はんと一緒やったら20万どっせ〜!あ!そうだね〜!ハハハ。
ちょっと女将さん…!いい加減にしてよ!
(円谷晋作)行ってきます。
行ってらっしゃい。
あ…!おはようございます。
橘デスク!あ遊軍長。
忙しい時に休んじゃって迷惑かけてごめん。
お休みはもう終わりですか?せっかくですからもうちょっと羽を伸ばされた方が…。
…何?あたしに出社すんなって言うの?いいえそういうわけでは…行ってきます。
俺の仕事はお前の仕事お前の仕事はお前の仕事。
(曽ヶ端渚)どーしてそうなる…!?曽ヶ端これ10行削って。
10行!?何?つた子さん杉浦さんに言ってやってください!また仕事サボろうとしてます!じゃあ頼んだぞ。
杉浦さん!!ん〜?「音楽室に呼び出され殴られた生徒…」「細川勇一は体罰教師…」曽ヶ端!何これ!?クソオヤジ!清涼館高校で体罰が横行してるっていう告発です。
数学教師でラグビー部顧問の細川って先生が名指しされてます。
先週から続けざまに3通届いて…しかも匿名で。
遊軍長が気になるから調べてみてくれって杉浦さんに振ったんです。
なのに…!よし…あたしが行く。
…つた子さんが行くの?たまには初心に帰って取材するのもいいでしょ。
あたしね…なんか今ガンガン体動かしたい!って気分なの!
(ラグビーの練習をする声)
(シャッター音)
(シャッター音)
(シャッター音)
(シャッター音)
(シャッター音)バイバーイ!バイバーイ!ちょっとごめんなさい。
数学の細川先生ってどの人?あのカメラ持ってはる人。
あぁ…。
ねぇ細川先生ってどんな先生?
(細川勇一)寄り道するな。
先生!清涼祭の写真良かったですよ。
そうか。
気ぃつけて帰れ。
はい。
(生徒)細川はマシな方ちゃう?授業つまらんけど!ウチらバカを差別せんからえぇやん。
結構話わかるよあの先生。
そうなの?でもラグビー部の顧問でしょ?だから部員をしごきまくってるとかそういう…。
ないない!おるだけ。
カメラで撮ってるだけ。
生活指導がとっても厳しいって聞いたんだけど…。
(生徒)え?全然!あそう…。
他の先生と間違えてるんちゃう?あ…。
本人に聞いてみたら?細川先生!あ…すいません細川先生ですよね?はぁ…。
あの…私…京都日報の…橘と申します。
京都日報…。
ちょっと…お時間いただけないでしょうか?お話伺いたい事がございまして。
どういった?実は我が社の方に匿名の投書がございまして先生が常時生徒に体罰を加えているという…。
体罰!?私が?ハハハ…。
全く身に覚えがありません。
失礼。
先生!そういう事実がないんでしたらなんでそんな投書がウチに来たんでしょうねぇ?火のないところに煙は立たないって言いますし…。
火はありません。
ハァ…あの先生にお答えいただけないんでしたらノーコメントという事で記事にさせていただくかも知れません。
どうぞ。
根も葉もないそんなデタラメに付き合うつもりは…。
(警報機の音)その投書にどんなデタラメが書いてあったんですか?やっぱり興味おありになりますか?いえ…つまらんイタズラを確認したくなっただけで…。
あ…先生は生活指導の副主任をなさってらっしゃいますよね?生活指導と称して生徒を体育館裏や音楽室に呼び出して体罰を加えたと書いてあります。
…お読みになりますか?これでも…本当に何もなかったんでしょうか?私に…誤解を招くような行為があったのかも…。
え…?あれ…それは…!体罰を認めるっていう事ですか!?よっし一丁あがり!あ!デスク!「京の散歩道」ドンピシャ!もうスーパー!杉浦さん原稿用紙と鉛筆貸して!え…?はい!あたしも原稿書くのよ!別にいいですけど…。
早く!デスクあのこれ…!「散歩道」の原稿!どうしちゃったの…?大洞さん!ハァ〜。
うわぁ!酒くさいなぁ君!橘つた子の記事出てない?え?キャップが原稿書いたの?いいから…社会面!あぁ…社会面ね…。
どこ?…載ってねぇなぁ!何だ…昨夜俺から原稿用紙かっぱらってったくせに!あ…こりゃ温泉で何かあったな。
(料理をする音)
(チャイム)
(チャイム)
(細川)はい。
(細川)あぁ教頭先生…。
何ですか?こんな時間に。
(教頭)昨日の放課後変な女に付きまとわれてませんでしたか?新聞記者の。
あぁ…それが?実は先生…。
(渚)杉浦さん。
つた子さんにお客さんです。
どうぞどうぞ。
…何が咲くんですか?咲くんじゃなくて…私食い気専門でね。
色々ちょっと野菜なんかを…。
ニンジンダイコンゴボウにタマネギとか…まぁ色々。
ハァ…そんなものが出来ますか。
いやまぁ…ホントは出来ないんですけどね。
かろうじてこのハツカダイコンが…ね。
始められたきっかけは何ですか?野菜作り。
いや別に何となくですよ。
わかります。
何となく…ある日突然何かを始めてみたくなる…。
あの…もしかしておたくあの…橘つた子と個室露天の?は…?個室?露天?いや冗談です。
そうですか…デスクまだ戻らないようだけど何か伝言しときましょうか?じゃあ…お願いします。
細川といいます。
10日ほど前に取材を受けた清涼館高校の。
え…?私昨日付けで学校を辞職しましたが橘さんのせいじゃないから気にしないでくださいってそれだけです。
お願いします。
あちょっと待ってください!あの…橘ウチにきた投書の件で先生に取材を…?もう何も話したくありません。
遊軍長!
(円谷)はい。
清涼館高校の記事って出ました?いやこっちが聞きたいですよ。
どうなりました?いや橘つた子が書くって言ってたんですけどね。
デスクが…どうして?突然「あたしが行く!」って。
「ガンガン体動かしたいの!」って言い出して。
デスクの仕事のストレスですかねぇ…。
今日どうしたんですかね?あぁ部長に呼ばれて。
ほぅ…。
ちょっと探ってみっかな…。
また…!
(喜多嶋美里)ありがとうございました。
(美里)署名お願いします。
署名お願いします。
(美里)署名お願いします。
署名お願いします。
署名お願いします。
署名お願いします。
ありがとうございます。
ウチの娘が細川先生の世話になってね。
そうだったんですか。
うん。
先生どうして学校辞める事になったの?う〜ん…詳しくは知りません。
先生の悪口を新聞社に投書した人がいたとかで。
体罰がどうとかって話?知りません。
実際に体罰はあったの?なかったの?ありませんよ!細川先生に限って。
誰かに恨まれてたのかなぁ先生。
で…ハメられちゃったとか。
ありもしない体罰チクられて…。
細川先生は君の担任?いえ数学を教わってるだけで。
あぁ…。
いつから署名やってるの?1人?仲間いるの?1人です。
何とか先生に学校戻ってきていただきたくて…。
(教師)喜多嶋さん!
(教師)おい喜多嶋君!喜多嶋さんすぐ片付けなさい!やめてください…!受験直前のこの大事な時期に君のような優秀な生徒がこんなくだらない事に力を注いで何になる!?くだらなくありません!手を離しなさい!やめなさい!喜多嶋君!
(もみ合う声)
(シャッター音)乱暴だなぁ…京都日報に投書しますよ?何ですか?あなたは…!?おい君…!いいから!さぁ…!やめるんだよ!?追っ払ったから…あとは存分にやればいいからね。
君!ねぇ!
(警報機の音)お願いしますよ!誠に申し訳ございませんでした!
(城戸)どうして取材先から抗議されるようなヘマを…!取材は致しましたけどれも行き過ぎがあったとは思っていません。
第一まだ記事も出てないのになんであんな抗議受けるんですか?おかしいですよ。
疑惑の教師が辞職したんだ。
向こうも混乱してるんだろう。
それに君だって記事を書いたのに掲載を見送ったのは波紋の大きさを考慮して…!違います!そんな事じゃありません。
じゃあどういう事なんだ?うまく言えませんけど。
ハァ…橘君なぁ長年管理職の地位にいると新入社員を見て自分の駆け出しの頃の初々しさを思い出す。
時には一線でバリバリやってた頃の事を懐かしんだりもする!そしていつでもそこへ戻れると考える!ところがそれが大きな勘違いだとすぐに気付く。
橘ちゃん…残念ながらね我々にはもうブンヤとしての独特の嗅覚も勘も消えうせてしまっとるんだよ。
それはわかりますけど…。
しばらくデスクから外れてもらう。
抗議を受けて何もせんわけにもいかん。
わかってもらおうとは思ってませんけどね…。
そう言われると知りたくなるな。
びっくりするなぁもう…。
仕事取り上げられちゃった。
フフ…またしばらく休むかな…。
あの例の高校の記事出さないんですか?だって〜取材しただけであれだけピリピリしてんのよ?今そんなもん出したら火に油でしょうが…。
人の原稿用紙かっぱらっていったくせに。
使った分は返しますよ!ケチ。
あぁそうだ。
あの高校の…細川先生ってのがデスク昼間訪ねてきましてね。
え!?何だって?なんか辞職したんだけども辞めるのは橘さんのせいじゃないから気にするなって伝言してくれって。
何…どういう事よそれ!わかりませんよ!気にするなって言ったって気になるじゃない。
え〜?どこでやってんのよ?署名運動っていうの。
あれ?おかしいなぁ…。
学校の圧力に屈したかなぁ?えぇ?いやそんなふうには見えなかったけどなあの子。
ここでやってたの?えぇここで…あ来た来た。
やぁ。
君あんまり人の話聞かない方だろ?オジサンと同じだわ。
ハハハ…。
(咳払い)ちょっと話聞かせてくれない?時間取らせないから。
あのね細川先生の辞職の直接の原因作った人連れてきた。
そういう言い方しなくてもいいでしょう…。
その投書…全部ウソです。
きっと…ラグビー部に反感を持つ人が投書したんだと思います。
どういう事?細川先生ラグビー部の顧問だしだからなんて言うか…。
そうか。
顧問の不祥事でラグビー部を対外試合禁止に追い込むとか…。
そうです!それであんな投書を…。
細川先生は生徒に暴力を振るうような先生では…。
まぁ…あたしの取材は少々強引で軽率だったかもしれないけどでも何もないんだったら学校が何と言おうと辞めないで頑張ればよかったのに…!でも先生は辞めた。
…なぜ?わかりません。
とても残念です。
もしかして君…細川先生の事好きなの?違います!そんなじゃありません!失礼します。
ハァ…まったく…ストレートに訊きすぎよ。
「好きなの?」なんて訊かれたら否定するに決まってるじゃないの。
でもまんざらでもないんじゃないかなぁ…。
じゃないとあんな熱心に署名活動なんか…。
いや…どうかな…?女の子の気持ちはねぇ杉浦さんが考えるほど単純じゃないから。
(上野俊哉)あの…。
喜多嶋と何話してたんですか?ハァ!?いや…喜多嶋とここ入ってくのが見えたから…。
細川の事ですか?京都日報なんだけど彼女にね署名活動の話聞いてたの。
君清涼館高校でしょ?喜多嶋さんの友達?いや別に…ただの同級生だけど…。
あぁそうか…君もしかしてラグビー部?実は…細川に殴られたの俺なんです。
(2人)…え!?
(殴られる音)
(上野)痛っ…!
(上野の声)クラブズル休みしたからって…。
(上野の声)後でなんか腹立ってきて…。
(上野の声)それで京日に投書を…。
しかし大洞さんいい泡盛飲んでるよなぁ…。
体罰ってホントにあったんですかねぇ?うん…ねぇ。
あのラグビー部の子の話なんか…淀みがなくて整然としすぎてんのよね。
大体あの先生暴力教師ってふうにはとても見えないしなぁ。
羊の皮被った狼ってふうでもないしね。
俺やっぱり明日あの…細川先生と直接会ってみて…。
いい!…え?あたしが行く。
あたしが行ってこのわだかまりぶつけてみる!ハァ〜!お先に。
ごちそう様。
え!?ちょっとデスク…!
(扉の開く音)橘つた子…やっぱ変だよなぁ…。
大洞さん…あれ何かあったよやっぱり。
キャップ…!なんでさぁ…私にすべて打ち明けてくれないの…?ったくもうキャップ冷たいんだからなぁ!あ〜っ!ホンットに…!
(テレビ)「和歌山県南部晴れのちくもり」「北部はくもりでしょう」「降水確率です」「午前中は低いですが午後からは50パーセント…」おはようございます。
…先生!先日は失礼しました。
まだ私に何か…?あ…あの先日社の方に訪ねてくださったそうで。
伝言は確かに伺いました。
だったらもう何も…。
先生…。
上野俊哉に会いました。
ラグビー部の。
上野?はい。
彼の方から接触してきまして…。
「細川先生に何度も殴られたので京日に投書した」と言ってました。
上野が!?私に!?違うんですか?彼はラグビー部でよく知ってますが担任になった事もないし教えた事もない…。
なぜ彼が…?
(シャッター音)
(シャッター音)これが唯一の趣味なんです。
実はずっと犬を飼いたいと思ってるんですがなかなか踏み切れなくて…。
先生ご家族は?ずっと1人です。
あぁだから身軽で簡単に辞表を出せた…?…でもありません。
これで結構…迷いました。
あの…先生は誰かをかばってらっしゃるんですか?誰かの身代わりに辞表を出したんですか?いいえ。
でもあたしにはそうとしか思えないんですよね。
橘さん…あなたの目には私はどんな人間に映ってますか?
(細川)女性から見ればまったく面白味のないつまらない男ですよ。
ラグビー部の写真を撮って気に入ったやつは生徒にプレゼントして…。
それが私の唯一の楽しみで一番の幸せなんだ。
そんな話しか出来ないつまらん男です。
上野俊哉の投書がウソだって言うなら…体罰なんかなかったって言うなら…。
一体何があったんですか?あたしにだけ教えてください!でないとあたし…先生を辞職に追いやったという責任から逃れられません!橘さん…忘れてください。
その事は気になさらないでください。
あなたのせいじゃない。
所詮身から出た錆ですから。
首を絞めたくなるくらい憎たらしい生徒もいれば一日中頬擦りしていたい生徒もいる…。
だから身から出た錆なんですよ。
え…?
(上野)いつまでそんな事してんだよ!?
(美里)放っといてよ上野君!あたしは好きでやってんだから。
お前やってる事がわけわかんねぇんだよ。
ひどい!何すんの!?返してよ!おいおいおい…それくらいにしとけよ。
あぁ友達なんだ。
知りません!知らねぇよ…。
(美里の声)上野君とは中学から一緒で…。
でも中学時代は別に話した事もなくて…。
あの時突然だったんで驚いた。
先生になんて言っていいかわかんなくて逃げたんです。
でも私…細川先生の事尊敬もしてるし嫌いじゃない。
だから署名集めて助けなきゃって…。

(細川のうめき声)はい了解。
(上野)すみません。
刑事さんと話したいんですけど。
何?どういった用件?昨日…人殴っちゃって。
(電話)はい橘。
あぁ曽ヶ端…どうした?え!?細川先生が襲われた!?どこで!?…うんうん。
(刑事)お前もバカだなぁ。
こんな騒ぎ起こしたら永遠に練習禁止。
ひょっとしたらラグビー部解散だぞ。
でも細川がムカついてムカついて…。
自分は学校辞めて涼しい顔して…後輩達は泣いてるんすよ!?だから…ぶん殴ってやったんですよ…。
第二社会面に載せますんで!帰りました!曽ヶ端!殴った生徒なんて言ってるの!?
(渚)スラスラと自供してるそうです。
ラグビー部の練習禁止処分にキレて細川先生殴ったって。
(円谷)しかし…上野って生徒がわからないなぁ…。
今さらラグビー部の処分を恨んで先生を殴ったって…。
元はといえば上野の投書に始まったわけでしょ。
う〜ん…だからこんな事になると思ってなかったんじゃないの?若いからカッとなって後先考えず行動しちゃったのよきっと。
そうっすかねぇ?…あ?僕は上野って生徒は皆さんが考えてるほどバカじゃないと思いますけどね。
…どういう事?男の純情ってヤツですよ。
好きな女の前で踊ってみせる…。
ほらあの大洞さんが得意なヤツ。
ハハハ…。
話がチンプンカンプンだ…。
こりゃね単なる体罰事件や傷害事件じゃない。
三角関係のもつれ…怨恨です。
(3人)怨恨!?話がますますチンプンカンプンだ…。
ね?遊軍長。

(飼主)おいで…そっち行こう。
おはようございます。
あぁ…可愛いですね。
先生は犬飼うとしたらどんな犬お飼いになりますか?あたしねぇ犬飼った事ない初心者なんですけどどんな犬種がいいかなぁ〜と思って。
あの…キチンと世話できるんですか?思いつきで飼って後で犬も人間も不幸になるって事がよくあるそうですから…。
あ…あたしもずっと独り者ですけど…飼えると思います。
橘さん…犬は生き物です。
だから必ず死にますよ。
僕は…それが怖くて飼えない。
わかってます。
でも先生。
人間も死にますよ。
夜遅く仕事から帰って1人だと晩ご飯作って食べるのも面倒くさいしそうかといってまた外へ出るのも億劫だし…。
しょうがないから買い置きのカップラーメンにお湯を注いでズルズルすすってるとなぁんかね…。
何やってんだろ?あたしはって…寂しくなる事ありません?いい歳してんのにロクな事やってこなかったなぁ…。
この頃はなんだか体のあちこちガタきてるしこのままここで倒れたらラーメンまみれになって台所の床に倒れて…。
見つけた人ビックリするだろうなぁ!カッコ悪い死に方だなぁ!なんて…フフフ…。
あ…先生はまだお若いからそんな事考えませんよね?いえ似たような事を考えます。
だから…!生徒に恋を打ち明けた…。
何か…わけもなく焦って急かれるように行動してしまった…!田舎の母が倒れたんです。
え…!?早晩教師を辞めて母の面倒を見に田舎に帰らなければならない。
あぁ…それで余計焦った。
補習授業で付き合ってるうちに喜多嶋美里という生徒の事ばかり考えるようになりました。
考えては否定して否定しては考えて…。
(細川の声)毎日喜多嶋の事ばかり…。
(細川の声)喜多嶋の事で頭がいっぱいに…。
(細川の声)それで音楽教室に呼び出して手を握りました。
(細川の声)逃がすまいと強く握ると…振り払われ…。
喜多嶋君…!
(細川の声)結局逃げられてしまいました。
…それだけです。
こんな騒ぎになるなんて…。
でもそれは…彼女にはきっとショックだったと思いますよ。
1人では受け止める事ができなくて上野俊哉に話した。
だけど…ホントの事は言えないから体罰を受けたとか何とか言ったんじゃないでしょうか。
上野はそれを京日に投書して…。
でも後になってあれが恋だっていう事を知って…先生を殴った。
上野が悪いんじゃない!私が…くだらない焦りと衝動に突き動かされて…つまらん行動を…!つまらなくなんかありません!先生にとっては…つまらない行動なんかではなかったはずです。
あたしも…ここんとこなんだか焦ってしまって…。
ガムシャラな取材をして先生にご迷惑をおかけしました。
でも後悔はしてません。
あれは…あの時のあたしの正直な思いでしたから。
先生も後悔しないでください。
…明日田舎へ帰ります。
母の面倒を見て生きていきます。
…えっ!?あ〜美味そうだなぁ!うん。
なんかねぇ急にカツ丼が食べたくなっちゃった。
今日ね…細川先生に会ったら喜多嶋美里への思い聞かされた。
あぁ…もう教師でも生徒でもないんだから堂々と付き合えばいいのに。
ねぇ!フッ…そんなあの先生はね杉浦さんみたく図々しくないの。
…田舎に帰るって。
え…?いいんですか?それで。
うん…いいのよそれで。
細川先生の淡く切ない恋のためにそっとしておきましょう。
そして…あたしはもう原稿書かない。
そいつは残念だな。
親友が死んだの。
中学から大学まで一緒だった大親友。
休みもらって通夜葬式お骨揚げまで付き合った。
彼女はねぇ5人子どもがいたんだけどもうデーンと肝の据わったおっ母さんみたいな人でね…。
あたしすごく頼りにしてたの。
心の支えだったからなんか…彼女がいなくなったらポッカリ穴が開いちゃったみたいで…。
一人ぼっちになっちゃった…。
部長がね「どーぞどーぞ好きな時に好きなだけお休みください」って言うし遊軍長は「え〜もう出てきたんですか?」なんて言うし…。
会社も世の中も…誰もあたしの事なんか必要としてないんだなぁと思っちゃって。
少なくとも大洞さんは必要としてます。
ご心配なく。
フフ…そうかな?でねとにかくガムシャラに働きたかったの!それもあのデスクで人の原稿をチェックするんじゃなくて自分で取材して原稿書きたかったの!でもね…思ってる事上手く書けなかった…。
力落ちたんだなぁ…。
橘デスクともあろうお方がそ〜んなたそがれててどうすんですか。
あたしはねぇ…いつでもエンジンを全開にしてないと失速しちゃうの!
(ため息)でも…たまにはたそがれさせてよ…。
ん…?個室露天じゃなかったのか…。
(電車の警笛)
(子犬の鳴き声)
(美里)先生!…喜多嶋!?実家に戻られるとか。
向こうでのんびりやる。
もう教壇に戻られる事は?おそらくない。
大変な時に雑音入れて悪かった。
いいえ。
最後に…優しく握ってください。
先生…お元気で。
彼女の気持ちなんか今手に取るようにわかるなぁ。
へぇ〜…しかしねデスク。
うん?いやお互い歳くっても…う〜ん…ま外面は別にしても気分は高校の時とちっとも変わらないと思いません?まぁね…そう思う事もあるけどそりゃまぁ…こっちの勝手な思い込みよ。
…何やってんの。
ほら見てごらんなさいよ。
彼女達はか弱くて繊細で明日への期待と不安で押し潰されそうになってるけどでもまぶしいほど若くて美しい…。
あ〜あ…やっぱり遠くまで来てしまったのよねあたしたち。
階段ですからマダムお手をどうぞ。
ん…?失礼ね!年寄り扱いしないでよ人を!あぁっ…!「だか〜ら言ったじゃないの〜」
(拍子木の音)「あ〜あ…」
(小寺)
あるき目です2015/01/21(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
新・京都迷宮案内4[再][字]

第4話「放課後の罠!女子高生の告白…」

詳細情報
◇出演者
橋爪功、野際陽子 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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